RN取得までの道のり

イェール看護大学院でCNSとNPを3年間で両方取得するコースで学んでいる、 Kさんが、下のように、日本の看護師がアメリカでRNになるための道のりを示してくれました。Kさんは日本で看護師として12年間働いた経験があり、渡米前は某ガンセンターの臨床現場で活躍してらっしゃいました。

多くのアメリカ看護留学サイトでは、予備校に行って勉強すればRNは取れる、というようなことが書いてありますが、実際はそのほかにも難関が色々とあるようですね。

また、同じくイェール看護大学院のNPコースで学んでいる内田茉友子さんの書かれた記事、NP留学のプロセスも参考にしてください。

さて、RNが取れても、アメリカで看護師として働くためには労働ビザの取得という難関があります。
ビザ取得の可能性については、Kさんのこちらの記事をご覧ください。

緒方

*******
(以下、Kさん)
看護師不足が深刻なアメリカで、以前は看護師として労働ビザあるいは永住権を取得することは、他の職種に比べ比較的簡単だったようです。しかし、3年ほど前から急激に困難になっています。このような状況下でも、アメリカでナースとして働くことを希望する日本人ナースは多く、NCLEXの受験対策予備校に通うために渡米され、アメリカの看護師ライセンスを取得しても、ビザが取れず夢半ばで帰国せざるを得ないナースが後を絶ちません。また、とりあえず大学院などに進学し、状況の変化を待つナースもいるようですが、移民法が改定される保障がないのが現状です。アメリカでは日本以上に交渉すれば、物事が解決することが多いですが、ビザ取得に関しては通常例外は認められません。

NPやCNSを目指す方を応援したい一方で、卒業後の進路を十分に考慮していただきたく、アメリカで看護師として働く(留学する)までの過程、また移民 ⋅ 非移民ビザ申請状況について記載していきます。

私のように日本で看護教育を受けた看護師が、就労あるいは看護大学院留学目的でアメリカに滞在するには、まずアメリカの正看護師免許(Registered Nurse: RN)を取得する必要があります。NPやCNSプログラムなどの臨床系の看護大学院の多くが、出願要件にRNライセンスを要求しています。

RNまでの道のり

1. The Commission on Graduates of Foreign Nurse Schools(CGFNS:外国看護学校卒業生審査会)のCertification Program(CP)に申し込む。http://www.cgfns.org/ CPはQualifying Exam (看護知識テスト)とEnglish Exam(英語試験)の2部構成になっており、どちらも合格して初めてCPに合格することになります。

CGFNSは、アメリカ看護師協会や全米看護連盟がスポンサーとなって設立された非営利機関で、外国の看護学校卒業生が、アメリカの病院等で不当な待遇を受けることの防止と、アメリカ国民に安全な看護を保証するために設立されています。

アメリカ以外の国で看護教育を受けた看護師が、アメリカの看護教育と同等の教育を受けたかをまず審査されます。日本の准看護師は申請できません。申請用紙や履修した授業時間数などの証明書、厚生労働省からの英文免許証など数種類の書類を提出します。書類審査が終わるのに1年以上かかることもあるようです。

注:授業数が不足していると審査されると、受験許可が下りない。

2. CP Qualifying Exam受験。年2~3回世界約50カ国で受験可能。日本では東京で受験できますが、受験者数が一定の数(正確な数は公表されていませんが、約10人は必要なようです)に達しないと開催されず、実質東京で受けられるのは年に1回ほどです。

3. TOEFL、TOEIC, あるいはIELTSを受験し、必要なスコアをクリアする。ちなみに、TOEFL iBTで83点以上、TOEICで725点以上要求されています。

注:CP Qualifying Examと英語の試験のどちらを先に受験しても可能。ただし、CP Qualifying Exam合格後、2年以内に英語の必要スコアをパスしないと、CP Qualifying Examの合格も無効になる。

4. 働きたい(留学したい)州のState Board of Nursing(看護評議員会)にthe National Council Licensure Examination for Registered Nurse (NCLEX)の受験申し込みをする。https://www.ncsbn.org/index.htmで各州の問い合わせ先がわかります。提出書類や提出方法は、州によって異なるので要注意。

注1: CGFNSを要求しない州が増えてきているので、CP受験は州により不要。
注2: NYなどのように、CP受験は不要でも、CVSという州独自の審査をCGFNSでするよう要求している州もある。
注3:働く(留学する)州を変え、RN免許登録を他州に移す場合、CP試験に合格していることを要求する州もあります。(例:CP不要のカリフォルニア州からCPが必要なペンシルベニア州には移せません。)CP Qualifying Examの合格率は約40%ですが、初回受験で合格した受験者は、NCLEXに90%の確率で初回受験で合格すると証明されています。ちなみにアメリカ人看護学生の合格率は約80%です。CP受験申請は煩雑ですが、個人的には力試しのためにも、受けておいて損はないと思います。

5. 書類審査が終わると、State Board of Nursingから受験許可が下りる。
6. National Council of State Board of Nursing (NCSBN:全米看護連盟)からAuthorization to Test (ATT: 受験番号)がメールで送られてくる。
7. Pearson Vueというテスト実施団体に連絡し、受験日を決める。365日受験可。東京の麹町で受験可能ですが、他のテストも実施されており、NCLEX受験は毎日は開催されていないようです。
8. NCLEX受験後、州によっては受験48時間後に合否をオンラインで確認できる。
9. State Board of Nursingに免許登録される=アメリカのRNになる!!

注1: Social Security Number(SSN: 社会保障番号)がないと、免許登録できない州があります。(例:カリフォルニア州)NCLEX合格後、1年あるいは2年以内にSSNを取らないと、NCLEX合格自体が無効になります。
注2:日本人がSSNを取得する方法は、アメリカ人と結婚する以外には、労働ビザを取るか留学先の学内でアルバイトする(他にもあるかもしれませんが)ことのみです。日本に在住しながらSSNを取得することは困難ですので、州選びは慎重に。
ーK

RN取得後のビザ獲得の道のりについてはこちら




Comments

Post a comment

Trackbacks


Use trackback on this entry.