I. 米国NPについて    NPコース卒業後のキャリアの実際

NPのキャリアは、専門分野によって大きく違う。よって、「NPの専門分野」と内容がかぶるが、お許しいただきたい。

NPの殆どは臨床で働き、一部はアカデミック(教育)、パブリックヘルス(NGO, 政府機関)などで働き、新しい分野として、健康保険会社などで雇われる場合もある。また今増えてきているのは、製薬会社の下請けの医薬研究をする仕事である。

NPの中でも、メディカルディレクターなどの要職についている者もいるが、数は少ない。

臨床の中でも、NPの多くはプライマリーケアで働く。

ファミリーNP、成人科NP、小児科NPの3種のNPのほとんどはプライマリーケアを診療所や医院などで医師と並行して提供している。患者は、医師を診るかNPを診るか選ぶことができる。(もしくは、振り分けをする看護師がいて、患者の複雑度、栗にシャンの得意分野によって、患者を振り分ける。)

急性疾患治療NPはICUやER(救急救命室)などで働く。ICUなど入院患者を診る場合は、NPは独立した医療提供者ではなく、医師や看護師と密接したチームワークで担当の患者にケアを施す。オペ室には入らないが、術前の検診、術後のケアなどは担当する。

ただし、入院病棟での訓練は受けていないので、法的に禁止されているわけではないが、入院患者のケアに携わろうというファミリーNPはとても少ない(聞いたとこはあるが、会ったことがない)。

成人科NPの人は、普通のクリニックで小児以外をやる人も多いが、専門を極める人がなぜか多い。
専門外来で、例えば糖尿病専門医院で他のEndocrinologists に混じって診療する、というようなことも多い。ちなみに、糖尿病クリニックの場合、患者さんに足の手当てや栄養の話をするのはCertified Diabetes Educatorの役目で、これは大抵NPでなくてRNである。NPは薬の調節をしたり、インシュリンを始めたり、内容としては医師の仕事に近いが、比較的軽症の患者を担当することが多い。ほかには、神経科、整形外科、胃腸器科外来などで働く。

小児NPの人は、小児科医院、地域診療所、学校の医務室、思春期外来などで働く。

婦人科NPは産科の訓練も含み、生む瞬間以外の妊婦のケアはできる。産婦人科に行くと、産婦人科医と、助産師と、婦人科NPが交代で患者を診ていたりする(そして、産気づくと病院にんかけつけるのは助産師か産婦人科医である。)
だが、産科なしで婦人科だけの仕事につく人も多い。思春期外来クリニックがアメリカには大変多いが、たいてい助産師か婦人科NPがスタッフであり、婦人科医は月一回複雑な患者さんのみを診に来る、などのシステムのところが多い。

介護ホームや訪問看護会社などは、特に多くNPを採用している。患者に対する心身一体アプローチを哲学とするNPは、vulnerable populationのケアは得意とするところである。(また、医師の多くはそのような機関では働きたがらないので、医師が不足しており、そこを多くのNPが補っている。)

政府認定の医師の少ない地方や、スラム街の診療所などは、二年契約を交わすと一年につき100-250万円相当の政府学費ローンが免除される。(これはアメリカ国民のみ。日本人NPは対象外。医師にもPAにも同様のプログラムがある。)

殆どのNPは多額な政府学費ローンを背負っているので、卒業後、地方で仕事を見つけ、これに申し込む人も多い。ちなみにYALEの2年前の卒業生は平均650万円ほどの借金があり、約95人中知っているだけでもおよそ20人以上がスラム街や地方へ就職していった。入学前にこのプログラムと契約を交わす人もいるが、多くは卒業後に申し込んでいたようだ。

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