I. 米国のNPについて d) NPの収入と勤務時間

NPの収入

NPのほとんどは給料制で働いており、全国平均の給料は$81,060 です。

これは、看護師(RN)の平均よりは高いけれども、勤務年数の長いICU看護師などと比べると、むしろ低いこともあるのです。それでも、仕事に対する満足感を求めるからか、NPを目指す看護師は多いです。

アメリカの医師は、かなり給与が高いので、それに比べるとNPはかなり安めです。

ちなみに、ファミリー医師(医院で働く)は$150,000程度、病棟勤務医(hospitalist)は$185,000、外科医など専門性が高ければ高いだけ収入も高く、
心臓外科医に至っては$500,000以上が平均です。

入院NP

もちろん、NPは手術はしませんが、術後のケアなどを時給の高い専門医にさせるよりは、NPに任せて専門医にはもっと複雑なケースを任せよう、とする理由は、主にこの給与の差にあります。

医師の超過勤務防止になり、専門医の満足度を上げ(アメリカでは不満があるとみな結構すぐに転職してしまうので)、もちろん病院側としてはコスト削減になることが明白です。(ちなみに、NPやPAはシフト制で働いているので、もともと時間が来たらさっさと帰ってしまいます。NPだけは超過勤務で、医師は楽して、ということはありません。)

患者側からしたって、24時間継続勤務でぼおーっとしている外科医や、疲れ果てて患者に優しくできない医師に治療を受けるよりは、睡眠をたっぷりとった外科医に手術をしてもらい、術後は術後専門の教育とトレーニングを受けた(やはりハッピーに働いている)NPと、医師とのチームワークに見守られてICUで休む方が安心でしょう。

外来NP

外来で働くNPは、病院で働くNPに比べて給与は低めです。

外来に限って言えば、生産性ボーナスのつくところも稀にあります。一日21人以上診たら、ひとりにつき$20もらえる、とか。

勤務時間

たいていは週40時間勤務で、超過勤務は少ない…ながらも、結構みんな居残って大量の書類の処理をしたりしてます。

子供のいる人などは、よく週2日か3日勤務にして、子供と過ごせる時間を多く取るようにしています。ほかにも、週3日でほかの日はコンサルタント会社をやっているとかいうパワフルなNPもいます。週2日は勤めていて、週3日は開業しているという人もいます。このへんは手に職なので勤め先によってはかなりフレキシブルに決められます。

待遇について

給与以外に、たいてい医療事故保険は雇い主が払います。また、フルタイム(20時間以上、30時間以上など、場所によって違う)で働いている場合、健康保険も大部分は雇い主が払ってくれます。(私の場合、健康でタバコを吸わない20代ですが、健康保険がひと月あたり$1、200です。それを、70%は雇い主が払ってくれています)

また、NP免許の更新には単位が必要なので、会議やクラスなどにせっせと出てその単位を稼がなくちゃいけません。そのための研修休暇と研修のための費用を普通はもらえるようです。私は、1年に1週間と、$500でしたが、周りのNP仲間に聞いてみたら$1500の人が殆どでしたので、ボスと交渉して$1500にしてもらいました。これは、研修代(4日間みっちりのクラスで$400-1500ぐらい)、ホテル代、交通費などに使います。

研修休暇は、有給休暇(私の働いているエリアではたいてい4週間)とは別にもらいます。友達を見ていると、一年3-4週間というのはどの職種でも同じようです。

それとは別に年間12日の病気休みがもらえるところも、もらえないところもあるようです。(外来で休むと地獄の患者門前払い・・・というか、その日の予約を全てキャンセルしなければいけないので、大騒動です。アメリカでは、予約制でないところはとても珍しいので。)

まとめ

Happy workers  better productivity  more money for the company
というロジックのもと、働いている人をハッピーにさせようというのが普通のアメリカの人事ですが、それが医療現場でも用いられています。

すなわち、
Happy health care workers ー> Happy patients ー> more money for the clinic

また、
Happy health care workers ー> Happy patients ー> Patients less likely to sue the hospital in case of medical accident ー> less cost for the hospital

コスト削減というと患者の気持ちを考えていない、お金第一主義のようですが、また、実際に病院側はお金を儲けることは大事な仕事のひとつなのですが、このように勤務する人をハッピーにすることにより、患者ををハッピーにしよう、医療の質を高めようというのは、実は健全な考え方ではないでしょうか。

“Everyone wins – health care workers, hospitals, and of course, the patients”

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