III. アメリカのNPコース   NP留学のプロセス

(下の記事は、この9月からYALEの看護大学院のNPコースを始められる、内田茉友子さんに書いていただきました)

NP留学のプロセス

アメリカのNPのプログラムに留学する場合、大きくわけて2つの方法があります。1つ目は看護以外の学問で既に学士を取得している人、つまりアメリカの正看護師、Registered Nurse(RN)の資格がなくても入学する方法があります。そして、2つ目はRNの資格を既に取得している人が入学する方法があります。

 日本で看護教育を受けており、看護師の資格をすでに取得している場合、例えアメリカのRN試験に合格していなくても前者のオプションには当てはまりません。つまり、看護の教育を他で以前受けたことがある人は1st optionを使用して留学する必要はないのです。(といいますか、あまり聞きません。)

 私は後者の方法で日本からNPプログラムを受験しました。その方法でアメリカのNPプログラムを受験する場合、以下のステップをとる必要があります。

? CGFNS verificationを行い、認定を受ける

? 自分がRNとして登録したい州のNCLEX のregistrationを行う

? NCLEXを受験、そして合格する

? 学校に応募

? Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools(CGFNS)とは海外看護教育の調査・認定機関であり、日本の看護師がアメリカの看護師(RN)になるためにはこの団体の審査、テストなどを通る必要があります。 http://www.cgfns.org/
アメリカでは州によってどのCGFNS認定が必要かは異なりますが、私が受験したNY州ではCredentials Verification Service(CVS)for New Yorkに登録することがNCLEXを受ける絶対条件でした。私は日本の看護教育や免許の認定などは受けていたのですが、NY州で看護師免許を取ることにしたため、CGFNS試験を受ける必要はありませんでした。(大半の州ではCGFNSのCertification Program(CP)に含まれるCGFNS試験という年に数回しか実施されていないテストをクリアする必要がありますがNY州やCA州のようにCPが不要な州もある。)詳しくは各州のBoard of Nursing websiteを参照してください。. https://www.ncsbn.org/


*補足* 近年ではCGFNSのCPを必要としていない州が増えている。つまりCPを受けなくても州によってはNCLEXを受けられる。例えば、CPが必要でない州、New YorkでNCLEXを受験し、合格後、本来ならCPが必要であったConnecticut州などのRN免許を二度と試験を受けることなくendorse(公式認定)することも状況によっては可能である。

? CGFNSの認定を受けた後、自分がRNとして登録したい州のBoard of Nursing(BON )にapplyし、National Council of Licensure Examination (NCLEX)の手続きをとります。Applicationを送ってから大体3週間(場合によってはもっと長い)かかり、その州のBONから受験資格を得ます。BONから受験資格を得た後にPearson Vueの試験機関で受験番号と試験日をスケジュールします。詳しくは http://www.vue.com/をご参照ください。

? NCLEXを受験します。個人的にいうと、NCLEXは日本の看護師国家試験よりcritical thinking problemsが多いような気がしました。私は日本の四谷でNCLEXを受けました。

ただ、いくらNCLEXに合格してもアメリカでRNとして登録するためにはSocial Security Number(SSN)とアメリカ国内で働くVISAが必要です。ここ数年、看護師でさえも労働VISAを取得することが急激に困難になってきています。

(ビザに関しての情報は、知る限りだけでも、後に書きたいと思います)

? NCLEXに合格後、初めてアメリカのNPプログラムに入学する条件の一つをクリアできます。

NP留学をすると決めたらまずresearch, research, research!
自分が目指す分野においてどのようなプログラムがアメリカにあるのか徹底的に調べてみましょう!私がNPのコースを調べるときに大変役立ったサイトを以下にご紹介します。
・All Nursing Schools-NP Programs
http://www.allnursingschools.com/featured/nurse-practitioner/
・Nursing Schools
http://www.nursing-school.org/
・Best Graduate Schools in Nursing
http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/nur/search

NPプログラムを選ぶときのポイントとして、自分はアメリカのどこでNPになりたいのか?西海岸?東海岸?または、自分がなりたいNPの分野はどの学校にあり、もしくはどの学校にないのか。Financial Aid はどうなっているのか?、などなど調べることはたくさんあります。オプションを全て並べた後、初めて学校を選びます。志望校は1つに決めず何校か選択肢をつくっておくといいかもしれません。

大体どの学校でもきっと要求されるもの。
⇒TOEFL score 最近2年以内にとったもの。http://www.ets.org/をご参照ください。
⇒高校以降の成績証明書すべて。
⇒GRE score   受験するためにはhttp://www.prometric.com/ をご参照ください。
⇒経歴書
⇒推薦状(大体2~3通要求される)
⇒RN licenseのコピー
⇒志望願書(大体2~3ページ程)

応募する学校によるが大半からはすぐ連絡がくると思います。私の場合、提出した2週間後にinterviewの日にちを決めました。日本で勤務していたため、日本時間の朝3時に30分~40分ほどの電話interviewをしました。合否の結果は応募してから約2ヶ月ででました。

RNの資格をもって入学する大半のNPプログラムは9月もしくは5月に始まります。
9月入学の場合は1月~2月までが第一応募期間の締め切りです。学校によってはrolling basisという定員になるまで常時applicationを受け付けている所もあるので各学校の必須条件を確認してください。

このようにNP留学は簡単なものではありません。たくさん時間もかかり、面倒な作業が多くあります。もし、もう1回同じプロセスをやり直してと言われたとしても、できるものなら2度と通りたくないプロセスですが、遣り甲斐のあるプロセスであることは確かです。


筆者:内田茉友子

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Comments

Unknown

小芋さん、
優しいコメントをありがとうございます。
いつも、小芋さんのブログも見させていただいてます。
みなさんもおすすめです!患者を診る時の苦労とか、面白い話がいっぱい出ています。
私もNP試験受験準備のためには苦労をしました(何度州の看護協会と電話したか数えきれません)が、その何倍も大変そうですね。くらくら。
それだけの苦労をして、今産婦人科のNPとして働いてらして、苦労を乗り越えてよかったと思ってらっしゃるのでは。
って、まだ、苦労は全部終了ではないのでしたっけ?どうか、頑張ってください。
It’s worth it. Everything is meant to be….

後につづく人のために

内田茉友子さんへ、
 歩んでこられた軌跡を、このようにまとめてくださってありがとうございます。これからNPプログラムに行きたいと考えている人にとって、「方法」を知ること以上に、これを実際にやった人が存在するんだということを知ることが、非常に励みになるとおもいます。
 私の場合は、CGFNS Certification Program から始めました。東京で試験を受けましたが、不合格。2回目は香港で受けて、受かりました。NCLEX は東京で受けました。
 その後、Credential Evaluation Service(大学院入学時と他州の免許をendorsement で取る時)、 VisaScreenと、CGFNSとはいいかげん縁を切りたいのに、なかなか切れません。何度泣いたかわかりません。時間・お金・根気、めいっぱい使ってきました。
 TOEFLは2年でスコアが無効になってしまいますし、日本の厚生労働省から出してもらった日本の看護師・助産師・保健師免許証の証明書もCGFNS上では3年で無効になってしまいます。再提出のためにまたお金と時間がふっとびました。
 最近のTOEFLはスピーキングが課されています。患者さんのヒストリーはとれるのに、TOEFLだと頭真っ白になってしまう私。
 CGFNSやTOEFLをクリアするにあたって、苦労されている方へーーー私でよければ、いつでも葛藤・嘆きを聞きますよ。

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