健康体の男性のかげには

昨日、最近こちらに越してきたという患者さん(40代男性)の、全身健診をした。

にこにこと愛想の良い、背の高い男性で、奥さんと子供1人と暮らしているという。

見かけやバイタルサインは全くの健康体のようで、今まで病気をしたことはないと答えたが、手首をチェックしたとき、やけどのような傷を見つけて、過去のリストカットについて、コカインをやめられなかった3年前の話、今はコカインはやめられたが、飲酒は未だに一日にビール6本とウイスキーを少々飲んでいる、家族のためにもやめたい、という話を聞き出した。また、全身健診なので、性器なども診察するのだが、ペニスにgenital warts(いぼ)を見つけた。前立腺などは正常だった。今は鬱病ではないようだった。

色々と話して、アルコールなどのフォローアップのために、4週間後にまた会う約束をして、いぼのためのクリームを処方して、などなどを、なんとか20分で終わらせた。(本当は15分ごとに予約が入っている)あと、彼の経歴を考え、エイズ検査をしたのが5年も前だというので、また検査しましょう、と検査表を渡した。

そうしたら、「丁寧に診察してくれてありがとうございます。まさに僕が必要としていたものでした。お酒もやめるようにがんばります。Alcoholic Anonymousにも参加します。僕は自分の人生を取り戻したいんです。助けてくれてありがとう。今までこんな最高のドクターは会ったことがありません。」
と言われた。
そこで、(自分を偽りたくないので)私は医師ではなくNPだということ、そして、ありがとう、と言った。"I am happy that you are so motivated. I can help you, but only to a certain point. The rest lies in your hands. Only you can take charge of your health...just like when you quit drugs. Good luck. Call me if you have any questions, or if you're having any trouble. See you in 4 weeks."
と締めくくったが、

彼が、これで本当にお酒もやめられたら、彼の奥さんが子供も嬉しいだろう。こうしてポジティブな影響が、ひとりでなく、その先にも広がっていったら、もうこれはNP冥利につきるというものだ。

嬉しかった。がんばってほしい。

彼と同じようなシチュエーションで、その後ドラッグに戻った患者さんもいる。飲酒に戻ってしまった人もいる。でもすっぱりとやめて、今は、同じような環境の人のカウンセラーをしている患者さんもいる。その患者さんは、私と会うたびにハグをしてくれる。人生が変わったという。

がんばってほしい。

最近、血圧や、頭痛やら、「普通の」病気を訴えてくる患者さんに、次々と鬱病やドラッグやDVを見つけている。景気が悪いからか?自分の中の、鬱病探知機が、研ぎすまされてきたのか、患者さんが正直に言ってくれるような聞き方をやっと覚えたのだろうか。どうなんだろう。

ちなみに、先週は、毎日すごい量の飲酒している、+鬱病っぽい、50代の高血圧の男性に、「自分ではお酒の量が多すぎると思う?」とか、ニュートラルな感じにカウンセリングしようとしたが、「俺は酒のせいで暴れてるわけじゃないんだ。誰にも迷惑かけてないんだぞ。」怒りだした。「ドクタ―は酒のことなんか聞かないぞ。もう次からは君の予約は取らない」と言う。"OK, sure. But do let me know if you change your mind and you want to talk about your drinking to someone."
と締めくくったが、もう、彼は医師との予約しか取らないようになるだろう。

YOU WIN SOME, YOU LOSE SOMEだなあ。

難しいけど、あー、プライマリケア大好き!!!!

Comments

Post a comment

Trackbacks


Use trackback on this entry.