血圧よ、血圧よ。

昨日は、血圧のものすごく高い人が3人来て、うんざりした。なぜうんざりしたかというと、ことごとく「1年間薬を飲んでいません」(2人!)とか「1週間薬を飲んでいません。薬がなくなったのでもらいに来ました」とかなのだ。そのうち1人は、しかもナース(准看護師)の人。。。「自分の血圧は怖いので測りません」主義だそうで、最後に測ったのも薬を飲んだのも1年前。

薬を飲まないのはなぜ?副作用を心配している?高いから?と聞いてみたら、「うーん別に気分は悪くないし。」という答え。

さすがに「薬はなくなる前に受診しなさい!!!!!!!!!!」と(優しく)怒ってしまった。そしたら、「薬局に薬をもう数ヶ月出してくれるように頼んだのに出してくれなかった」とのこと。(アメリカでは、薬局からそのようなリクエストがファックスで来ると私たちNPや医師が、目を通し、1~12ヶ月分の処方を患者を診ずにできる。私は1~3ヶ月分しか出さないことが多いがそれは個人の判断に任されている。)「それは、あなたが6ヶ月受診してなかったからでしょ。3ヶ月に1回は最低来てください」とちょっといらいら。

そして、「なぜ高血圧はよくないんだと思う?」聞き、知識をテスト。「えーと、心臓に良くないから?」という患者さんに、ほかにどんなに体に良くないかを教える。「ちなみに、昨日の夕ご飯は?」と聞いたら、ひとりは「えーと、ラザニア」(准看護師の人)。ひとりは、「ケンタッキーフライドチキン。」ああ、アメリカの食生活よ。

全員、肥満もあるので、血糖値をチェックしたらひとりは116。すると、「あー、血糖値高いとは言われたことありますけど、それってやっぱり良くないんですか」(私のボスは、糖尿病という言葉を使わずに、「ちょっと血糖値が高いね」と呼ぶのが好きなのだ。患者さんを怖がらせたくないからだという。私はその考えは大反対。)
「このままいくと糖尿病になりますよ」「糖尿病になるとheart attackの可能性が数倍になりますよ。勃起不全にもなりますよ」などなどと教育。勃起不全に関しては、友人の医師から「若い男性には効く言葉だよ~」と言っていたので。本屋で糖尿病に関しての本を見てみるように言う。パンフレットもあげる。

そうして、1人20-30分かけて教育/診察/処方(安いジェネリックばかり。でないと飲んでくれなさそうだし)した。幸い、予約に来なかった患者さんが多かったので時間はあったのだ。ひとり、190/110だった人はサンプルの薬(ちなみに、Benicar HCT 20/12.5....ARBi + HCTZの薬ね)を飲ませ、15分後に再び測った。そのまま家に帰らせたくなかったのだ。

でも、患者さんが3人ともとってもとってものれんに腕押し状態で、とても生活態度を変えようとかいう気配がない。このような時は、無力感を覚える。

あーあ、strokeを起こしてからじゃ遅いのに。分かってくれ!!

婦人科系のひとびと必見!パワポ、教材ほか

いつもの婦人科に関するお勉強をできるサイトから、
こんなウェブサイトのリンクを見つけました。

CORE教材ページ

women's healthトピックスのみですが、教える際のスライドや、患者にコンドームをつけさせるための説得するロールプレイの劇に筋書きなどがいっぱい載っています!!!!!!特に、助産課程を教えている方、参考にしてください!!!

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視察のお供、講演、ブライズメイド

怒濤の1週間がすぎました。

日本から来ている、大分看護大率いる視察団が、ワシントンDCにいるというので、1日半だけお供させていただきました。無理を言ってなんとか休みを取って、ヴァージニアの病院での視察(肺移植クリニック&トラウマセンター)での通訳のお手伝いと、American College of Nurse Practitionersのセルウェイ会長の講演の後、少しだけNPとしての立場を話させていただきました。そこの医師と話している時に、日本の助産師が処方できない、会陰切開もできない、などについては、特に驚いていたと思います。NPもそうだけど、助産師の裁量権拡大という可能性も日本は見てみるべきだよねえ。。。と再度思いました。ほかに、ロレッタフォード氏からのアドバイスもセルウェイ会長を通して聞き、素敵なアドバイスに感激しましたが、それは後日載せたいと思います。

人数が多かったので、みなさんと個人的にお話をしたかったのに、それができなかったのを非常に残念に思っています。でもまた、ここから色々とつながっていくのでしょう。

次に、そのままサウスキャロライナ州に向かい、友人の結婚式のブライズメイドをしました。自分の結婚式の参考になる、うれしいな、と思っていたのですが、その大変なことと言ったら想像を絶していました。。。4人でお揃いのドレスを着て、2日間、朝から晩まで、花屋に花を取りにいったり、シャンペンを開けたり注いだり、お給仕をしたり、花嫁のベールを直したり、食べ物を買ってきたり、傘を運んだり、お客さんを案内したり。。。。もちろん、友人のためにみんなで集まって、楽しいことはとても楽しかったのですが。日本だったら、これは会場の人とかがやってくれるんだろうなあ。いいなあ。自分の結婚式の時には、ブライズメイドにここまで頼らないようにしよう、と決心しました。

ブライズメイドのうち1人は、オランダから来ていたのですが、妊娠4ヶ月なのですが、行きの航空会社が荷物をなくしてしまい、泣いていました。みんなで安いモールに彼女の服を買いにいきました。帰りは、アイスランドのvolcano eruptionのおかげですべての飛行機がキャンセルになり、彼女は今でもアメリカにいます。。。遠い親戚に家にステイしています。アンラッキー。

余談ですが、特定看護師についての記事を書きました。

ぜひ応援お願いします!

さて、今月はあと原稿2つ。そして引っ越し、そしてシカゴでカンファレンス、がんばります。
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年下と付き合ったのでレイプ罪?

15才の少女がいじめを苦に自殺し、アメリカで話題を呼んでいる。
ニューヨークタイムズ記事
(悲しいことだけれど、日本ではこれは、そんなに話題になるほど珍しいことでもないのかもしれない。。。)

アイルランドから引っ越してきた女の子が、短期間、ある男の子と付き合い、それをねたんだ男の子の元彼女が、インターネットなどを通して暴言を浴びせたとのこと。実際の暴力はなかったようだけど、「お前の顔をなぐってやる」みたいなことをたくさん言われたらしい。

いじめていた子たちのうち、16歳の子たちは少年犯罪の部類。17歳と18歳の子たちは大人として裁判を受ける。罪状は、「violation of civil rights, criminal harassment and disruption of a school assembly」。しかも、FELONY CHARGE(政府レベルの重犯のこと。これがあると大学進学はもちろん、一生まともな就職もできないのでは)。

ちなみに、17歳と18歳の女の子たちは、年下の男の子と付き合っていたから、上の罪状に加えて、レイプ罪を問われている。

(アメリカでは16歳(18歳だったかな?)以下の子供がそれ以上の年齢の人と性行為をすると、年齢に違いがあれば例え同意の性行為でも自動的に「レイプ」扱いになる。その規定は州によって違いがあって、例えば、コネチカット州では15歳の女の子が21歳の男の子と付き合って、性行為をすれば、それがばれれば21歳の男の子がレイプの罪になる。男女が逆でも一緒。これを、"statutory rape"と呼ぶ。)

き、きびしいいいいい!

いじめに厳しくあってほしいし、捕まって良かったと思う一方、ちょっぴりだけかわいそうに思う。

また、statutory rapeには時と場合によりけりじゃないかなーと疑問を抱いてしまう。だって、刑務所で時間を過ごして、一生まともな仕事につけないなんて、ちょっと年下の子と付き合った罪としては重くないだろうか?

でも、本当の同意ならいいけれど、もしアメリカの法律があてはまるならば、援助交際の男性とかは100%レイプなわけで、そう考えるとレイプ罪を問うてほしいと思う。

複雑な心境です。

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カナダのNP養成ガイドライン

今、午前2時すぎですがやっと「特定看護師についての意見」を書き終えました!
ライターハイ?もしくは単なるコーヒーの影響?で眠くありません。
いつも早寝なんですが。。。

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ウェブでカナダのNPをどうやって法制化するかというワークシートや、NP養成のガイドラインを見つけました。
カナダのNPリンク
ほかにも素敵なカナダNP情報がわんさかと載ってます。
 (特に日本でNP講座を作っている学校の方には役に立つのではないかと思います)

NPはイギリスやオーストラリアでも大活躍していますし、アメリカ以外の資料もいっぱい見つけたいです。


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ついでに言うと、この家を次に借りる人もどうやら明日決まりそうである。ほっとする。なぜ大家さん(眼科医、最近リタイアして人生を謳歌している)が探すんじゃなくて私が探しているのか?!

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今日来た患者さんは、1人目が94歳のおばあさんで、友人も家族もいなくて、一人暮らし。話を聞いてくらあああああああああい気持ちになってしまった。そしたら、2人目が90歳のおばあさんで、一人暮らしだけど、家族もよく訪ねてくるし、多趣味でスィートなおばあちゃま。話していたら、私の元彼と、彼女の甥の息子が同じ会社の同じ支店に勤めていることが判明。そんなの分かっても、どうしようもないけどね。

それにしても長生きってのも、複雑だなあ、と再び思う。でもうちの祖母は絶対100歳以上生きてほしいけれど。

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あとは、引っ越し準備、がんばるぞ!

診療に医師/NPがよく使うソフトウェア

診察に使うソフトはいろいろあるが、私のまわりで一番人気はepocrates.comらしい。
オンラインでも使えるが、普通は電子手帳やiphoneにダウンロードして使っている。薬剤やMedical Calcultator (BMI, Framingham Scoreなど)のみは無料、有料サービスでは、血液検査の結果判断補助や、症状を入れると病気の名前が出てくるのまである。私の知っているプライマリケアのNPでほとんどの人は使っている。もちろん、毎日使う人から、薬剤の量を忘れたときのみに使う人まで、さまざまだけれど。

私はepocratesは無料のしか使っていない。

しかし、それとは別にUptodate.comはばっちり払ってばっちり使っている。エビデンスに基づいた病気についての情報が、毎年教科書を買いなおさずに手に入るのはありがたい!!!
電子手帳にはダウンロードしていないが、主にコンピューターで、じっくり読む用に使っている。
年間$400くらいだったと思う。(医師もNPも値段は一緒。)
プライマリケアでなく、専門をやっている人には、「ER用Uptodate」などのバージョンもあると聞いたことがある。
そうでもしないと、どんどん更新されていく医療情報にとても追いつけないのだ!



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さて、昨日は6時間ハイキングに行って、春を楽しんだが、今日は原稿書きだ。合間をぬって、家探しの人々が訪ねてくる。(引っ越すので今の家の次の借り手を探している。)ついでに、ウェディングに出席するかどうか返事をくれなかった人々に、メールや電話をして「来るの?」と聞く作業もある。ウェディングのDJに、かけてほしい歌のリストをメールしてと言われていたのに、忙しくてできなかった。来週末にはできるだろうか。。。

緒方さやか


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