チーム医療セミナー開催!(3月13日)

看護協会副会長の坂本先生と草間先生が両方お話されるなど、かなり豪華メンバー!なセミナーが開催されるようです。
私はアメリカなので行けません(涙)が、どうか皆様参加されて様子を伝えてください。
前原先生は、イェールのICUなどの視察にもいらしゃっています。
緒方



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最強の医療戦略セミナー 第10回 開催のお知らせ 
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拝啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、第10回 最強の医療戦略セミナーを下記内容で開催さ
せていただきます。
ご多用中のこととは存じますが、万障お繰り合わせのうえ、
ご出席を賜りたくお願い申し上げます。
敬具
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ご参加いただくにあたって
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会場の収容人数の関係上、参加予約が必要でございます。
下記オンラインセミナー登録サイトにアクセスしていただき、
▲ 3月11日(水)18:00まで ▼に参加のお申し込みをお願い申し上げます。
登録確認は、「セミナー申込み完了のお知らせ」にてお願いします。
なお、満席になり次第、参加申込受付を終了させていただきますので、
あらじかじめご了承くださいますようお願い致します。

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開催日時・場所
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日時 :平成21年3月13日(金) 18:00~21:00(受付17:30~)
場所 :丸ビルホール
http://www.marunouchi-hc.jp/hc-marubiru/info/index.html
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7階
03-3217-7111
定員 :300名(定員次第締切)

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内容
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〈コーディネーター〉
坂本 すが 先生(東京医療保健大学 保健学部看護学科 教授・学科長)

〈第一部〉パネルディスカッション
「役割分担 新たな看護師の働き方」
座長:小西 敏郎 先生(NTT東日本関東病院 副院長・外科部長)
坂本 すが 先生(東京医療保健大学 保健学部看護学科 教授・学科長)

講演1「チーム医療維新:周術期看護師」
前原 正明 先生(防衛医科大学校病院 心臓血管外科 教授)
講演2「役割分担:看護師の役割と責任 徳島大学病院の取り組み」
大岡 裕子 先生(徳島大学病院 看護部長)
講演3「ナースプラクティショナーの養成」
草間 朋子 先生(大分県立看護科学大学 学長)

〈第二部〉特別講演
座長:出月 康夫 先生(南千住病院 名誉院長)

講演「これからの医療に夢を」
落合 慈之 先生(NTT東日本関東病院 院長)


参加者 :医療従事者ならびに病院勤務者
参加費 :無料 (軽食をご用意しております)

主催 :アステラス製薬株式会社 
後援 :変革をめざす病院の経営フォーラム 

お申し込みお待ちしております。

━━━━///  オンラインセミナー登録サイト  ///━━━━━
https://www.reg-clinkage.jp/saikyo/10index.html
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一筋縄ではいかない患者さん

以下、糖尿病の患者さんについての独り言です。

68才くらいの女性で、「あの人は言うこと聞かないから、あげるよ~」とボスの医師が冗談で私に言っていた患者さんがいました。

私が始めて診た時は、高血圧と鬱病とコレステロールと糖尿病で、A1C値は12%台(!)でした。どうやら、処方された薬も気分によっては飲まなかったりする様子。

そこで、あの手この手で説得して、なんとかインシュリンを始めるのに納得させたのです。で、metforminはそのままで、glipizide(glucotrol)だけもちろんやめて。薬の大切さを教えて。眼科行かせて、足の指もチェックして、ふー。

が、1日1回のLantus 10ユニット で始めても、まだまだ血糖値が高くて、一週間に一回電話してもらって、報告する血糖値によってどんどん上げていったんですね。(朝の空腹時の血糖値が180以上なら、8ユニット足してっていうスライディングスケールありますよね?あれで。)

なにしろ、来院するには息子が会社を休まなければいけないというので、最低3ヶ月に一回は来院する約束で、残りは電話越しにしてあげたのですが。

そして、最近電話来ないなーと思っていたら、3ヶ月後の血液検査のころになりまして、以前から渡しておいた血液検査の紙を使って彼女が検査に行ったらしく、報告が届きました。それを見てびっくり。A1Cがなんと7.2%に減っているではありませんか!

彼女に大喜びで電話して、まず褒めて、散歩を再開したの?ダイエットを始めたの?と聞くと、
「ううん。ひどい物ばっか食べてるよ。パンとかパスタとか。毎日ものすごい量食べてるよ。だってサンクスギビングと、クリスマスもあったし。そしたら、なんか血糖値が上がったから、インシュリンも上げてるよ。運動はしてない。」

えっ


絶句。



「今、インシュリンいくつにしてるの?」
「60ユニット」

う~~~~~~~ん

「た、た、体重増えなかった?」

「ああ、6キロ増えた。」

血糖値が上がったからインシュリンを上げた、それは筋が通ってるけど。。。。
それはちーーーがーーーーーう!!!!と思った私。

でも、glucose toxicityのあったであろう以前と比べると、まだましなのだろう。

たまに、Type1糖尿病の子供が、「たくさん美味しいものを食べたいから」インシュリンを自分で上げてしまって、太って、困るという話を聞いたことがあるけれども、大人でもそういうことはあるのでした。

糖尿病持ちなら、栄養士を保険は大抵払ってくれるので、栄養士に送りたいのですが、なにしろ本人が拒否⋅⋅⋅

コレステロール値を見るのがコワいです⋅⋅⋅

やはり、一筋縄にはいかない患者さんでした。



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アメリカで人気の医学学科は?

医学生の友達が、「ファミリー科って、どこの科にも入れないくらい成績の悪い人が行くとこだよ。私だったら絶対行きたくない」とひとこと。

言っちゃいけないけど。。。ちょっと、むかっとしました。

私のよく知っているファミリー科の医師は、5人とも人格的にも優れ、ものすごーく色々知っていて、わからないことがあったらきちんと調べ、頭もいいタイプ。
ファミリー科の給料は医師として一番低いけれど、あえて選んだという、尊敬できる人たちなのです。

家庭医たちはすごい偏見にあってるんだなーと思いました。

どおりで家庭医が足りない、プライマリケアをする人がいないとアメリカで大騒ぎになるわけである。

アメリカの医学生の間で一番人気のレジデンシーなのは、
Plastic Surgery 形成外科
つづいて、
Dermatology 皮膚科
だという。

日本と同じ!と、思いませんか?

一番人気のないのが家庭医。

給料は、心臓外科医や形成外科医が5000万円くらい、ファミリー科は2000万円弱とかなり差があるようです。

(ちなみに、PAやNPは800万円くらい、経験を積んでもあまり上がらない。
看護師の初任給は400-500万円で、経験に応じて上がる。ICUとかだと週かで1000万円以上の人もいます。看護師からNPになって給料下がったよーって同級生もいましたが。)

でも、この間ここに載せた家庭医の調査を見ると、みなさんはっきり言って疲れてらっしゃる。

ファミリー科は行かない、という友達にも、一理あるのでしょうか?

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PAの役割

日経メディカル12月号にとってもわかりやすい、楽しい、周術期PAに関しての記事が出た。
会員登録(無料)しないと読めないが、これだけでも登録する価値あり!おすすめだ(上をクリック!)

上の記事を書いた外科医の方のブログにも、
PAに関してのコメントがある。こちらは登録不要。

また、米国PA協会のサイトで、PAの説明が詳しく載っている(英語)。

PAの提供する医療の質については、
こちらの文献リスト
をご覧いただきたい。

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看護師、NP、CNSのビザと永住権

イェール看護大学院でCNSとNPを3年間で両方取得するコースで学んでいる、 Kさんが、下のように、日本の看護師がアメリカでのビザと永住権取得への道のりを示してくれました。Kさんは日本で看護師として12年間働いた経験があり、渡米前は某ガンセンターの臨床現場で活躍してらっしゃいました。

一番下は、私が10月ごろ書いたビザに関する記事。

***********
(以下、Kさん)

看護師不足が深刻なアメリカで、以前は看護師として労働ビザあるいは永住権を取得することは、他の職種に比べ比較的簡単だったようです。しかし、3年ほど前から急激に困難になっています。このような状況下でも、アメリカでナースとして働くことを希望する日本人ナースは多く、NCLEXの受験対策予備校に通うために渡米され、アメリカの看護師ライセンスを取得しても、ビザが取れず夢半ばで帰国せざるを得ないナースが後を絶ちません。また、とりあえず大学院などに進学し、状況の変化を待つナースもいるようですが、移民法が改定される保障がないのが現状です。アメリカでは日本以上に交渉すれば、物事が解決することが多いですが、ビザ取得に関しては通常例外は認められません。

NPやCNSを目指す方を応援したい一方で、卒業後の進路を十分に考慮していただきたく、アメリカで看護師として働く(留学する)までの過程、また移民 ⋅ 非移民ビザ申請状況について記載していきます。

私のように日本で看護教育を受けた看護師が、就労あるいは看護大学院留学目的でアメリカに滞在するには、まずアメリカの正看護師免許(Registered Nurse: RN)を取得する必要があります。NPやCNSプログラムなどの臨床系の看護大学院の多くが、出願要件にRNライセンスを要求しています。

RNになるまでの手順は、こちらに別途記載しましたので、ご覧ください。
また、内田さんの投稿されたこの記事(NP留学のプロセス)も参考にしてください。

さて、学生ビザ⋅永住権⋅労働ビザ取得までの道のりをご紹介します。

学生ビザ(F-1ビザ)取得までの道のり

1. 行きたい大学院を徹底的に調べ出願。2008年9月の内田さんの投稿をご参照下さい。
2. 合格すると、大学からI-20(留学生資格証明書)という、入学許可証のような証明書が送られてくる。
3. 必要書類を揃え、アメリカ大使館で面接を受ける。必要書類についてはhttp://www.fulbright.jp/study/res/visa01.html#1を参照。
4. F-1ビザが発行される。
5. 渡米。留学中は基本的に就労できません。許可が下りた場合でも、キャンパス内で週20時間に限定されています。
6. 卒業後はOptional Practical Training(OPT)という、卒業生特別労働ビザが下ります。1年間のみ有効で、就業内容は専攻した分野に直結した仕事のみと規定されています。OPTの規定は頻繁に変更になっていますので、申請時には学内の留学生センターなどでご確認下さい。働きたくても、最悪日本への帰国を余儀なくされます。

アメリカで看護師として就労するには、永住権(グリーンカード)あるいは労働ビザを取得する必要があります。また、看護師を対象にした移民専門弁護士を雇う必要があります。私は法律の専門家ではありませんので、間違った情報が含まれている可能性もあります。その際はご指摘いただければ幸いです。尚、移民法は頻繁に変更されています。記載した情報は2009年1月現在のものであることをご承知下さい。最新情報は、http://travel.state.gov/visa/visa_1750.htmlなどでご確認下さい。

雇用主を通しての永住権取得までの道のり
(詳しいFormナンバーや手続きは、弁護士にご確認ください)

1. スポンサーになってくれる病院(雇い主)を探す。
病院側が弁護士代などを出してくれることも、採用時の交渉次第ではあり得る。しかし、高い費用をかけ、それでも1年後にせっかく雇った人材がアメリカを出国となるリスクをおかすよりは、永住権保持者やアメリカ国民を長期に雇いたいという病院が多い。世界的な経済低迷の影響で、スポンサーになってくれる病院を探すのは、さらに困難となっている。
2. 決まったら、雇用主がETA Form 9089という雇用内容や条件に関する雇用証明の申請書をDepartment of Labor (労働省)に提出する。
3. 雇用主がUSCitizenship and Immigration Service (USCIS:移民局サービスセンター)に、請願書を提出する。特殊技能職なのか、その職務に的確な者なのかCISで審査される。アメリカ人ナースではなく、なぜ外国人ナースを雇う必要があるのかなど、雇用主が提示する必要がある。
4. 審査が通ったら、Form I-129あるいはI-140をUSCISに提出。
5. Form I-485を提出。
6. 永住権を取得。

注1:雇用あるいは技能関連スポンサーで永住権を申請するには、優先順位が1~3に分けられています。2005年までは永住権に看護師特別枠があり、申請後1年ほどで取得ができたようで、後述する労働ビザよりも取得しやすかったそうです。しかし2006年10月から特別枠が廃止され、さらにI-485の提出すら受け付けなくなっています。RN対象の第3優先のEB3の発給が一時中止となっており、看護学校、短大、大学卒業のRNとしては、現在外国人ナースは永住権の取得はできません。
注2:大学院卒業以上のナースは、第2優先のEB2に申請できる可能性あり。弁護士に確認を!ただし、2008年12月現在、2006年の申請者にやっと発給されているようで、取得までに時間がかかっています。

労働ビザ(H1-Bビザ)取得までの道のり(RNとしては通常申請できません) 

スポンサーをしてくれる雇い主が見つかっても、ビザの申請には、弁護士を雇う必要があります。知り合いの韓国人のナースは、弁護士費用に約100万円かかったと言っていました。(緒方注:私の知り合いは、70万円ぐらいだったそうです。)

1. CGFNSでビザスクリーニングを受け、合格する。英語テストの必要スコアは、CP試験と同様ですが、Speakingテストが必須となっている。
2. ビザのスポンサーになってくれる病院を探す。 
病院側が弁護士代などを出してくれることも、採用時の交渉次第ではあり得る。しかし、高い費用をかけ、それでも1年後にせっかく雇った人材がアメリカを出国となるリスクをおかすよりは、永住権保持者やアメリカ国民を長期に雇いたいという病院が多い。世界的な経済低迷の影響で、スポンサーになってくれる病院を探すのは、さらに困難となっている。
3. ETA Form 9142, 1-129をUSCISに提出。
4. その他、高度専門職・技術者であることを証明する指定された書類を提出。
5. H1-Bビザは、ナースに限らず大学院卒業以上の専門職(IT関係者など、NPやCNSも含まれる)対象のビザで、全体で年間65000件発給されています。その中で、大学院卒業者特別枠が20000件用意されています。ただし、応募者が多いため抽選となっており、昨年の当選率は約60%でした。つまり、たとえNPやCNSなど大学院を卒業した高度専門職となって、運よくビザサポートをしてくれる雇い主が見つかったとしても、労働ビザを必ずしも取得できるとは限りません。

アメリカのNPやCNSプログラムは、日本のプログラムよりも実習時間がはるかに多く、実践を学ぶ機会に恵まれていることや、プログラムに長年の歴史があり、学ぶ環境が整っています。私は留学目的で渡米し、日本では学べないフィジカルアセスメントなどを履修することができており、こちらで得た知識は日本に帰国後役立つと思っています。しかし、卒業後こちらで就職を希望している方は、まずは最新の移民法の情報収集をされ、卒業後の進路をあらかじめ考えておかれることをお勧めします。労働ビザを取得するために大学院に進学するという考えもわかりますが、授業料は高いですし、こちらに来たら何とかなるという状況でもないことを十分ご理解いただきたいと思います。

ーK


RN取得への道のりはこちら

******
(以下、緒方、2008年10月ごろ書かれた記事)


私の知っている限り、ビザは特にここ3年ほど取得するのが更に難しくなっている。

グリーンカードを持っていないとあるNP(ヨーロッパの人で、日本人ではない)は、YALEのコース卒業後、ビザをHOSTしてくれる病院で働き口が見つからず、結局出国を避けるためにPhDコースに入らなければいけなくなった。今でもPhDをやっており、看護研究を楽しんではいるが、NPとして働いた経験はないし、これからも無理かもしれない。

5月に卒業として、卒業後一年間は「OPT」で、この一年以内にビザをスポンサーしてくれる就職口を見つける。つまり、移民弁護士を雇って、「OOOOさんはこの企業になくてはならない人物なので、特別にビザを出してもらいたい」という申し込みをしてくれる企業のことだ。それには、お金も時間もかかるため、アメリカ国民の方を優先して採用することもあるらしい。また、大企業(大病院)でないとまずやってくれない。

移民弁護士を通して、書類を調えて提出したら、(知り合いは、70万円かかると言っていた)それから先はくじ引きである。修士号を持っていると多少有利ではあるが、ここ数年申し込みは増えているので、大体当たるのは30-40%だとYALEの国際学生オフィスは言っている。

これが当たらないと、OPTの切れる翌年7月に出国となる。

アメリカの看護士不足のため、昔は看護士は有利であったが(別のビザカテゴリーだった)それはすでに廃止されたらしい。

グリーンカードをすでに持っていれば、これらの問題は回避できる。

アメリカでNPを目指す方を応援したいが、とても高い授業料を払う前に、卒業後本当にアメリカで働けるのかどうかを弁護士などと相談し、実際ビザでアメリカでNPとして働いている人を見つけて、相談してから留学した方がいいかもしれない。

もちろん、NP学生として得た知識は例え日本に帰国となっても役に立つだろうし、そういう人にぜひ日本の看護の将来にも関わって欲しいと願っているが、NP学校の授業料は莫大である。一年間YALEなら約250万円、それを2年間、それとLAB FEE,高い教科書、生活費など。

多大なローンを背負うのは、労働ビザが出ず、帰国となったときに辛いかもしれないので、よく考慮してほしい。

緒方


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RN取得までの道のり

イェール看護大学院でCNSとNPを3年間で両方取得するコースで学んでいる、 Kさんが、下のように、日本の看護師がアメリカでRNになるための道のりを示してくれました。Kさんは日本で看護師として12年間働いた経験があり、渡米前は某ガンセンターの臨床現場で活躍してらっしゃいました。

多くのアメリカ看護留学サイトでは、予備校に行って勉強すればRNは取れる、というようなことが書いてありますが、実際はそのほかにも難関が色々とあるようですね。

また、同じくイェール看護大学院のNPコースで学んでいる内田茉友子さんの書かれた記事、NP留学のプロセスも参考にしてください。

さて、RNが取れても、アメリカで看護師として働くためには労働ビザの取得という難関があります。
ビザ取得の可能性については、Kさんのこちらの記事をご覧ください。

緒方

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(以下、Kさん)
看護師不足が深刻なアメリカで、以前は看護師として労働ビザあるいは永住権を取得することは、他の職種に比べ比較的簡単だったようです。しかし、3年ほど前から急激に困難になっています。このような状況下でも、アメリカでナースとして働くことを希望する日本人ナースは多く、NCLEXの受験対策予備校に通うために渡米され、アメリカの看護師ライセンスを取得しても、ビザが取れず夢半ばで帰国せざるを得ないナースが後を絶ちません。また、とりあえず大学院などに進学し、状況の変化を待つナースもいるようですが、移民法が改定される保障がないのが現状です。アメリカでは日本以上に交渉すれば、物事が解決することが多いですが、ビザ取得に関しては通常例外は認められません。

NPやCNSを目指す方を応援したい一方で、卒業後の進路を十分に考慮していただきたく、アメリカで看護師として働く(留学する)までの過程、また移民 ⋅ 非移民ビザ申請状況について記載していきます。

私のように日本で看護教育を受けた看護師が、就労あるいは看護大学院留学目的でアメリカに滞在するには、まずアメリカの正看護師免許(Registered Nurse: RN)を取得する必要があります。NPやCNSプログラムなどの臨床系の看護大学院の多くが、出願要件にRNライセンスを要求しています。

RNまでの道のり

1. The Commission on Graduates of Foreign Nurse Schools(CGFNS:外国看護学校卒業生審査会)のCertification Program(CP)に申し込む。http://www.cgfns.org/ CPはQualifying Exam (看護知識テスト)とEnglish Exam(英語試験)の2部構成になっており、どちらも合格して初めてCPに合格することになります。

CGFNSは、アメリカ看護師協会や全米看護連盟がスポンサーとなって設立された非営利機関で、外国の看護学校卒業生が、アメリカの病院等で不当な待遇を受けることの防止と、アメリカ国民に安全な看護を保証するために設立されています。

アメリカ以外の国で看護教育を受けた看護師が、アメリカの看護教育と同等の教育を受けたかをまず審査されます。日本の准看護師は申請できません。申請用紙や履修した授業時間数などの証明書、厚生労働省からの英文免許証など数種類の書類を提出します。書類審査が終わるのに1年以上かかることもあるようです。

注:授業数が不足していると審査されると、受験許可が下りない。

2. CP Qualifying Exam受験。年2~3回世界約50カ国で受験可能。日本では東京で受験できますが、受験者数が一定の数(正確な数は公表されていませんが、約10人は必要なようです)に達しないと開催されず、実質東京で受けられるのは年に1回ほどです。

3. TOEFL、TOEIC, あるいはIELTSを受験し、必要なスコアをクリアする。ちなみに、TOEFL iBTで83点以上、TOEICで725点以上要求されています。

注:CP Qualifying Examと英語の試験のどちらを先に受験しても可能。ただし、CP Qualifying Exam合格後、2年以内に英語の必要スコアをパスしないと、CP Qualifying Examの合格も無効になる。

4. 働きたい(留学したい)州のState Board of Nursing(看護評議員会)にthe National Council Licensure Examination for Registered Nurse (NCLEX)の受験申し込みをする。https://www.ncsbn.org/index.htmで各州の問い合わせ先がわかります。提出書類や提出方法は、州によって異なるので要注意。

注1: CGFNSを要求しない州が増えてきているので、CP受験は州により不要。
注2: NYなどのように、CP受験は不要でも、CVSという州独自の審査をCGFNSでするよう要求している州もある。
注3:働く(留学する)州を変え、RN免許登録を他州に移す場合、CP試験に合格していることを要求する州もあります。(例:CP不要のカリフォルニア州からCPが必要なペンシルベニア州には移せません。)CP Qualifying Examの合格率は約40%ですが、初回受験で合格した受験者は、NCLEXに90%の確率で初回受験で合格すると証明されています。ちなみにアメリカ人看護学生の合格率は約80%です。CP受験申請は煩雑ですが、個人的には力試しのためにも、受けておいて損はないと思います。

5. 書類審査が終わると、State Board of Nursingから受験許可が下りる。
6. National Council of State Board of Nursing (NCSBN:全米看護連盟)からAuthorization to Test (ATT: 受験番号)がメールで送られてくる。
7. Pearson Vueというテスト実施団体に連絡し、受験日を決める。365日受験可。東京の麹町で受験可能ですが、他のテストも実施されており、NCLEX受験は毎日は開催されていないようです。
8. NCLEX受験後、州によっては受験48時間後に合否をオンラインで確認できる。
9. State Board of Nursingに免許登録される=アメリカのRNになる!!

注1: Social Security Number(SSN: 社会保障番号)がないと、免許登録できない州があります。(例:カリフォルニア州)NCLEX合格後、1年あるいは2年以内にSSNを取らないと、NCLEX合格自体が無効になります。
注2:日本人がSSNを取得する方法は、アメリカ人と結婚する以外には、労働ビザを取るか留学先の学内でアルバイトする(他にもあるかもしれませんが)ことのみです。日本に在住しながらSSNを取得することは困難ですので、州選びは慎重に。
ーK

RN取得後のビザ獲得の道のりについてはこちら




父親の術後の治療に疑問

*****
日本で、父親の手術後の看病に忙しくしていた、Yさんという
知り合いの方から、下のようなメールをいただきました。
プライバシー保護のため、Yさんの許可を取って、一部の情報
を変えてあります。

心が苦しくなるようなメールです。以下、続くのは、私のコメントです。
緒方
*****

<父親の術後の治療に疑問>

父(85歳)が右膝の人工関節を入れる手術を受けました。

手術後、痛みが激しく、「死んでもいいから痛み止めの薬を」と訴えました。
大正生まれで戦中・戦後の混乱期を懸命に生き抜き多くの
親類縁者の世話を行い、自身もがんなど何度も手術を克服してきた
昔かたぎの人物。手術までは自分自身よりも周囲への気配りを優先するなど
シッカリしていました。

我慢強いの男だった父が入院・治療で「死んだ方がまし」と訴えた
のは私が知る限り初めて。よほどの苦痛だったのでしょう。
手術室に入る前に「悔いの無い人生を生きてきたから、もう心残りはない」と
漏らしていただけに、見るに見かねた私は「麻薬でも、どんな薬を使っても
いいからラクにしてやってほしい」と担当看護師に要求しました。
すると「医師の指示がないから」などと疼痛緩和よりも「我慢」を求めました。
麻酔科医にも「なんとかできないか」と尋ねると「強い薬を打つと呼吸困難に
なる」などと専門的な説明をされて、追加的な処置はしませんでした。
麻酔科医とはそんな立場なのでしょう。

確かに父は数年前から高血圧などのいくつかの持病を患っていました。だから
鎮痛剤の使い方が難しいという医学的な理屈のようでした。
医師でない私は医師・看護師の専門的な論理には太刀打ちできません。
結果的に、患者に苦痛の我慢を強いるかっこうとなってしまいました。
いまになって、苦痛に苛まれている姿を思い起こすと、
「あんなに苦しんでいるのに何とかできないのか!」と、ナースステー
ションや当直医に怒鳴り込む蛮勇を惜しんだことを後悔しています。
病院との関係がギクシャクさせたくないという気持ちから、そうしなかった
のでしょう。

我が国においては、高齢者の手術後の疼痛管理は、どこでもこのようなもの
なのでしょうか。
この病院は優良病院のひとつです。
ナースの態度はしっかりしていて「説明責任」を果たしていました。
その対応と説明ぶりは「組織人としての訓練」が行き届いているように
見受けられました。

とはいえ、あのときのことを思い出すと、あれで良かったのだろうか、
やはり、いまひとつ納得がいかないのです。

患者が、死ぬほど辛いと訴える患者に我慢を強いるような医療は、やはり、
どこかおかしい。この疑問は素人考えに過ぎないのでしょうか?

- Y

*****

(以下、緒方)

私も、緩和ケアについては、私もホスピス医師、看護師から学びつ
つ処方している、いわば初級者ですが、モルヒネ系の薬を使いはじ
めてから「性格が変わった」「ぼけが治った」ような患者さんを多
く目にしています。

病院は苦しみを甘んじて受ける場所ではありません。
病院は自分らしさを取り戻したい、自分の生活に戻りたい人々が、
肉体的な苦しみと、精神的な不安と、一生懸命戦っている場所です。

NP学校で繰り返し学んだのは、自分たちの巨大な患者さんに対する
「力」について。
癒す力を、使うのかどうか私たちの判断にかかっている。
力の扱い方には気をつけなさい、ということ。
私たちの性格や、宗教や、偏見のせいで、無力な患者さんを救うこ
とも、圧倒的に懲らしめることもできる
からです。

私たちも人間ですから、judgementを下すことはあります。
長年太っていて、運動しなさいと言ったのに聞かなくて、心臓病になった人に、それ見たことか、と思わず無意識に考えてしまうのは珍しくありません。

病院にいる私たち医療従事者は、実は、聖職者ではなく、権力者なのです。

でも、ただ年によるアルツハイマーも、タバコを長年吸って肺がん
になった人も、原因不明の小児ガンも、皆平等に扱われるべきでしょう?
その人の不注意で事故にあい、結果、一生モルヒネを必要とするよ
うな痛みと生きる患者さんも、多くいます。
でも、その痛みも取り去られるべきなのです。
その人にもう一度生きるチャンスを与えられるからです。

医療者は自分の中の偏見に気づき、それを毎回捨てるような努力を
怠ってはならないと思います。

偏見は、患者に対する偏見だけではありません。モルヒネに対する
偏見
も存在します。
アメリカでは、モルヒネ系の薬のaddiction rateは約1%だ
といいます。
100人中、1人ということは、99人の人は、安全
に、addictionなしに、自分らしい生活を取り戻せるというこ
とです。
私は介護/リハビリホームで働き、病院では(急性期ケアは)働い
ていないのですが、合併症に関しても、モルヒネによる危険は多く
の誤解があると聞きます。

文化的に痛い人は痛いと叫ぶことの多いアメリカでも、患者が痛み
をじっと我慢していることはよくあります。
病院内や介護ホームで、痛みがあるかどうか、ルーチーンに聞くこ
と、そして痛みを取り去るのに躊躇しないこと
は、医療の中でも大
切な部分だと思います。

ただし、外来では、処方してモルヒネの行方を確認できません。
せめてペインクリニックの電話番号を患者に渡しています。
(アメリカには多く存在するペインクリニックが、日本でどれほど
一般的なものかどうかは知らないのですが。。。)

アメリカでしか医療経験のないもので、日本では無理だよ、と言わ
れるかもしれませんが。

私の介護ホームでの、痛みのあった元医師の患者さんとの経験が、
スマートナース 3月号の 「アメリカNP医療事情」に掲載
されるので、興味のある方は見てみてください。
痛みが取れるにつれ、性格が変貌し、最後には腹筋エクササイズま
で始めてしまった
患者さんとの思い出です。

現代医療は、そして、わたしたち医療従事者は、そんな患者さんが
自分らしく生きる手助けができる、なんとも素敵な力を持っている
のですから、人間らしく生きる手助けをしたいものです。

緒方さやか

NP/PA をICUに導入。滞在日数や死亡率の変化は?

NP/PAを入れたら、「危険だ」「医療の質が下がる」という懸念の声を、日本の一部で聞きますね。
アメリカでも昔はそういう心配をする医療関係者などがいたようです。

では、本当に医療の質は下がるのでしょうか?

そこで、NP/PAのケアの質についての文献目録を作ってみました。

プライマリケアの分野においてだと、何百個もあるので、ここには今リストしません。ちょっと探す範囲を限定して、集中治療や周術期においての文献を探してみると、 ケアの質を医師比べた研究だけでも、多く見つかりました。

それだとやっぱりきりがないので、その中でも、ABSTRACTだけでなく、 記事本体をイェール図書館のデータベースなどで見つけられたもののみを含めることにしました。 要するに、ここにリストした記事は全て現物を持っています。

NP/PA反対派のAmerican Medical Associationあたりから、NP/PAの質が劣るという研究結果が出版されてるんじゃないかなーと思ったのですが、NP/PAのケアの質が医師と同等であるという結果の文献は大変な数がありましたが、医師に劣るという結果は、記事を膨大な数サーチして、100個以上Abstractに目を通しても、ひとつも見つけられませんでした。

正直言って、NPやPAに批判的な記事が探せば見つかるだろうと思っていたので、ちょっと驚きました。

わずかに見つかったのは、1990年と1974年という古い記事で、質は同じだが、コストがNPの方がかかった、というものです。しかし、集中治療の分野ではなく、介護ホームとプライマリケアの話で、また、あまりに古いので、あんまり関係ないかな、と思います。

もうひとつ注目すべきことは、看護雑誌に出たものが非常に少ない点。医療マネジメント、集中治療などの分野の雑誌がほとんどですね。

プライマリケアの分野においても、 NP/PAのケアの質が医師と同等であるというリストも制作したいのですが、あまりに数が多いので、絞り込むのが大変そうです。

NPやPA は、様々な医療現場において、高い質のケアを提供し、コスト削減に貢献してきたということに、改めて驚いています。

緒方さやか





Spisso J, O'Callaghan C, McKennan M, et al: Improved quality of care and reduction of house staff workload using trauma nurse practitioners. J Trauma 30. 660-665.1990;
NPによって滞在日数が減ったばかりか、勤務医師の一日の時間が352分空いた.

Carzoli R, Martinez-Cruz M, Cuevas L, et al: Comparison of neonatal nurse practitioners, physician assistants, and residents in the neonatal intensive care unit. Arch Pediatr Adolesc Med 148. 1271-1276.1994
新生児ICUにて、 医師(レジデント)と NP/PAの間で質の差はなかった。 NP/PAの方がコストの節約になった。

Dubaybo BA, Samson MK, Carlson RW: The role of physician-assistants in critical care units. Chest 99. 89-91.1991
2年にかけて、死亡率、合併症など、PAがいるICUと医師のみのICUで違いはなかった。

Mitchell-Dicenso A, Guyatt G, Marrin M, et al: A controlled trial of nurse practitioners in neonatal intensive care. Pediatrics 98. 1143-1148.1996
新生児ICUにおいて、医師とNPがケアする場合のアウトカムは同じであった。

Meyer SC. Miers LJ. Cardiovascular surgeon and acute care nurse practitioner: collaboration on postoperative outcomes. AACN Clinical Issues. 16(2):149-58, 2005 Apr-Jun.
術後のケアを、心臓外科医のみのチームの場合と、心臓外科医とNPのチームを比べた。滞在日数はNPを含んだチームの方が短く、患者ひとりあたり $5,038のセービングになった。

Kleinpell RM. Ely EW. Grabenkort R. Nurse practitioners and physician assistants in the intensive care unit: an evidence-based review. Critical Care Medicine. 36(10):2888-97, 2008 Oct.
急性期ケアにおいて、NPやPAと医師とを比べた文献を集め、紹介している。

Ettner SL. Kotlerman J. Afifi A. Vazirani S. Hays RD. Shapiro M. Cowan M. An alternative approach to reducing the costs of patient care? A controlled trial of the multi-disciplinary doctor-nurse practitioner (MDNP) model. Medical Decision Making. 26(1):9-17, 2006 Jan-Feb.
病院内の患者のケアで、医師だけのチームと、NPを加えたチームを比べたところ、
患者一人あたり$1187NPを雇うのにかかったが、 $3331コストが浮いたため、NPのいるチームの方がコストセービングになったという記事。

Roy CL. Liang CL. Lund M. Boyd C. Katz JT. McKean S. Schnipper JL. Implementation of a physician assistant/hospitalist service in an academic medical center: impact on efficiency and patient outcomes. Journal of Hospital Medicine (Online). 3(5):361-8, 2008 Sep.
病院内のケアで、PAと医師のチームと、医師だけのチームでは、滞在日数、死亡率などが同じであった。

Russell D, VorderBruegge M, Burns SM: Effect of an outcomes-managed approach to care of neuroscience patients by acute care nurse practitioners. Am J Crit Care 11. 353-364.2002
滞在日数、膀胱炎、ICU滞在日数、導尿が要らなくなるまでの時間などが、NPによって少なくなった例。

Cowan MJ. Shapiro M. Hays RD. Afifi A. Vazirani S. Ward CR. Ettner SL. The effect of a multidisciplinary hospitalist/physician and advanced practice nurse collaboration on hospital costs. Journal of Nursing Administration. 36(2):79-85, 2006 Feb. 病院内で医師だけのチームよりも、NPを入れたチームの方が、患者の滞在日数が短く、患者ひとりにつき病院側は$1591 の節約になった。

Burns SM, Earven S, Fisher C, et al: Implementation of an institutional program to improve clinical and financial outcomes of mechanically ventilated patients: One-year outcomes and lessons learned. Crit Care Med 31. 2752-2763.2003
NPを雇うモデルによってICU滞在日数などが減り、>$3,000,000の節約になった。


Hoffman LA. Miller TH. Zullo TG. Donahoe MP. Comparison of 2 models for managing tracheotomized patients in a subacute medical intensive care unit. Respiratory Care. 51(11):1230-6, 2006 Nov.
NPとフェローの医師では、死亡率、滞在日数などが変わらなかった。


Dacey MJ. Mirza ER. Wilcox V. Doherty M. Mello J. Boyer A. Gates J. Brothers T. Baute R. The effect of a rapid response team on major clinical outcome measures in a community hospital. Critical Care Medicine. 35(9):2076-82, 2007 Sep.
PAによるRapid Response Team制度を導入したところ、病院内の患者の心筋梗塞などが減った。

Hoffman LA. Tasota FJ. Zullo TG. Scharfenberg C. Donahoe MP. Outcomes of care managed by an acute care nurse practitioner/attending physician team in a subacute medical intensive care unit. American Journal of Critical Care. 14(2):121-30; quiz 131-2, 2005 Mar.
勤務医とNPのチームと、勤務医と急性期ケアフェロー(医師)とのチームを比べた。 mechanical ventilationの期間、死亡率、滞在日数、 readmission rates(再入院率)において、違いはなかった。ただし、フェローの患者の方がreintubation(再挿官?)率が高かった。これは、フェローはICUの外でしなくてはならないほかの仕事が多いからではないかと推察している。

ホリデーシーズンのハプニング -新生児NPより-

ルイジアナ州で新生児NPとして活躍するエクランド稚子(わかこ)さんからの最新の投稿です。NPが新生児医療でする役割がよく分かると思います。
エクランドさんが以前書かれたエッセイを読みたい方は、こちら
をクリックしてください。

医療の現場にたどりつけずに亡くなった子や女性のご家族には、 I would like to express my deepest condolence and sympathy, です。

システムの改善化が叫ばれる今日ですが、新しいシステムへの考察に対して「リスクが高い」と躊躇するステークホルダーも多いと聞きます。それでも、このままじゃだめだから、とりあえず変えてみるしかないんだ、と思うのは、外野の考え方でしょうか。。。

緒方

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このサイトをご覧になっている皆さんの中にはきっと小児科ICU、NICU系もいらっしゃると思うので私の仕事内容、大学院生の指導内容など参考になる事もあるかもしれない。今日はとりとめのないまとまりのない文章になってしまう可能性がある事をあえて認めながらも、一筆したためる事にした。

クリスマスホリデーのあたりも、全く休みと関係なく赤ちゃんは生まれてくるし、妊婦さんは突然破水 したり、突然トイレに行きたいと思ったら27週の赤ちゃんがとびだしてきた、など、惨事が結構起こる。今年のクリスマスの日は27週のいわゆる突然生まれて家族を驚かせたベビーの搬送で夜中は忙しい事になった。幸い、現在順調に頑張ってくれている。

ホリデーに起こった事で一番記憶に残っているのは、一昨年のクリスマスに起こった夜の続けざまの三つの搬送である。夜8時頃24週胎盤はくり緊急帝王切開の連絡が入り、幸い、まだ回診中の医師がおり、緊急処置をしたから後は搬送チームにバトンタッチというケースがあった。その児をセンテニアル病院(私たちの管轄の一番大きいNICUがある)へ無事に搬送した。そのすぐ後に29週の未熟児が生まれたと45分ほどの病院からうけた。児を迎えに行ってそこでアセスメントをしっかり行い、搬送に安全な状態にしてから帰途につく。まず呼吸管理、ルート確保、保温、輸液、抗生物質投与、などである。さてその児もつれてかえってセンテニアルに落ち着かせた。

二人目をつれて戻ったとき一人目の児が生まれた病院から再度電話があり、破水してしまった24週の児のお母さんが入って来てしまって、調べたところ、もう 出産をとどめられない状態である事を伝えて来た、つまり緊急で戻らなければならなかった。2度ある事は3度あるなどと縁起でもない事を口にした呼吸療法士をにらむと, 私は急いで準備をしてもどった。

幸いこの病院はセンテニアル病院と同じ系列の病院で近いためこの病院で生まれてしまった場合はたいていの場合私たちのグループの医師の一人がそこへ行って緊急処置を行ってそこへ搬送チームが到着してバトンタッチをしている。しかし、2カ所の病院で重なって急な処置が必要な自体が発生する事もあり、NPが送られる事がたびたびある。24週の双子が生まれて医師もNPも飛び出していった事もある。

こういった緊急事態では、NPの行動力、判断力、と実行力は未熟児搬送と受け入れに莫大なプラスをもたらしている。

これも実際にあった事であるが、私がセンテニアルの病院で24時間勤務をしている日の事
である。もう一人医師も24時間待機しているのでもしも搬送があればNPの私が対応する仕組みになっている。北に30分のNICUのない施設で胎盤薄利のお母さんの23ー24週だと思われる児の緊急帝王切開を今から行うからきてくれという連絡が入ったのだ。センテニアルに 私と一緒に当直していた医師は、搬送チームと一緒に行くのではなく、私だけひとりで、車で、急いで行くようにと言った。

車にのったら電話をしてねと一言言われて車に乗り込み、高速をとばし始めながら医師 のいる当直室へ電話を入れた。新生児医師のその晩の当直は若い女性で仲のいい人だったのだが、彼女が、"連絡によると23ー24週ということで お母さんのこれまでのことが はっきりしないところがʼ会ってひょっとしたら23週以下かもしれないのよ" つまり、無理な蘇生をする事へのブレーキをかけるようにとの指示である。"わかりました、生まれたらすぐに蘇生への反応を連絡します"

グループの医師の一人でスピート違反でパトカーに追っかけられて、車から911をして、事情を説明しながら走り続けた人の話を思い出しながら車をかなり飛ばして病院へ着くと、その児はいまとり出されている最中で、オペ室に走り込んだ私はウォーマーの前に立ち、酸素や吸引器具の最低必要な器具がすべて整っている事を確かめた。このあたりは現地のナース、呼吸療法士が心得ている。

私の手のなかにうけとった児は明らかに24週のあたりに見えた。(これは何年もこの仕事をしていると発達の加減で予想がつくようになる。皮膚の様子など、未熟児の度合いに関しては目が慣れてくるといったらいいかもしれない)。確実に23週をこしてどちらかというと24週に近い、と私は判断した。

すぐに保温されたベッドへ移し、乾かし、 体温を保つためサランラップで児の全体をくるんだ。 心音を確かめながら酸素マスクをあてがう。一応80以上の心拍数があり、腕足をよく動かす子だった。酸素マスクで酸素を送り込むうちに心拍数はすぐに140ほどまであがった。

この時点で私は電話をいれて、酸素マスクをあてがうだけで心拍数が向上し反応がこの時点では良い事を告げ、(電話をかけてくれたのは現地の病院スタッフ、私が目と、手をこの産まれたばかりの子から離さずに済むように受話機を耳元にあてがってくれていた)さらに23週は十分に超えている判断をしたと報告した。医師は、それでは、救急車を送ります、そのまま続けてくださいといって電話を切った。

血色も良くなったのを見届けてETチューブを挿入してベンチレーターにつなげる。体温の事を気にしながら15分後にUACを入れるとそこから採血してABG、などなどの検査をする。血糖値などが下がってしまう前に輸液を入れ始めたい。そのために急い でUACを臍帯の動脈か静脈を使って挿入することで一番早くルートを確保できる。

静脈にもカテーテルを入れた。胎盤薄利の度合いが分からないが輸血または緊急に何らかのVolume expansionをする必要があるかもしれないし、昇圧剤が必要になるかもなど、頭のなかは忙しくいろいろな事を考えていた。とにかくその時点では幸いバイタルサインが安定していた。胸部腹部レントゲンでカテーテルの位置、気管チューブの位置、肺の様子を確認した。

救急車がそのうちにナースと呼吸療法士を連れて到着した。レントゲン、十分な酸素飽和度レベルを保つために必要な呼吸器のセッティングのレベル、肺の動き等々から、サーファクタントの注入をする必要があると判断した私はセンテニアルから到着した、私たちのチームの呼吸療法士(RT)に指示を出した。自分でする事もあるが、たいていはこれはRTが訓練をされており、NPがしなければならない事ではない。

その日のRTはベテランであったので何の心配もいらなかった。チームワークの仕事分担である。しかし、少しでも心配なら必ず自分で行う事にしている。超未熟児のケアに落ち度があってはいけない。

両親への説明、 インフォームドコンセントなどで、母親の家族と面会した。これはNPの責任である。この時点で24週と仮定してリスク、死亡率、成功率、脳性麻痺などの可能性も含めて呼吸管理、輸血の必要性、などの現実的な話をしなければならない。脳室内出血の確率が高い事も隠さず話した。どれほど丁寧に児を扱っても避けられない事かもしれないけれど、最大の注意を払って搬送をすることを伝える。

*****

私はバンダビルト大学の看護学部の一応教員ということになっているのだが、NP大学院生のレジデンシーの現場での教育指導も随分して来た。

その経験から残念ながら、看護が好きだから、未熟児が好きだからというだけでは、使えるNPにはなれない事も現実として受け止めている。卒業させてあげられないと深刻な話をしなければならなかった学生もいた。私の在学中やはり二人ほど卒業できずにNPになることを断念した学生もいた。

学校によってある程度厳しさが違ったり、求める最低限が違ったりするのはどうしても仕方がない。ただ、危険だとおもう学生は決して安易に臨床訓練を完了させられない。協調性、チーム感覚も持ち合わせているNPでなければ共同関係をもつ医師にとって大変な危険な存在となるからだ。

これまでにレジデンシーまたは、実習で指導した学生からNNP教育に着いて考えさせられる事も多かった。ある学生の一人は勉強のできる子で現場でも機敏な行動力を見せた。ナースとしての経験も2年ある事からいろいろなケースを体験していることは確かだったが、残念ながら自信があり過ぎで慎重な判断に欠けていた。

この学生には本当に苦労させられた。最初から領域を心得ない傾向のある学生のために特に私を選んだ、とNNPのリーダーが言うのでどんな学生かとおもったが予想よりも難しい相手であった。簡単に説明できないのだが、NPとしては本物になるのは確実な実力を持っているのは否めなかったし、技術の習得もちゃくちゃくと進んでいたのだが、協調性、協力関係ということの意味を今ひとつ習得するまでに至っていなかったのだ。
チーム医療を理解できないNPを世に送り出すと、NP自身の指を詰める事になると私は感じた。

チーム医療というのはチームの中で自分ひとりが秀でる事では成り立たないし、ベストのアウトカムへ期待できない。NP教育の中で有能な人をチームプレーヤーとして育てていくことの貴重さを感じた。

私が現在の新生児医師とNNPのグループに入ったとき(2003年)、私はNPでは5人目であったのが、なんと約6年経った今、NPの数が15人になろうとしている。医師の数は7人から9人に増えた。毎年必ず一人、二人と増えて来ている事は新生児集治療でのNNPの貢献部分の大きさを表していると考えることができるとおもう。


私たちのグループで初めてのNPとして入ったパッティはこう語ってくれた。最初の頃はドクターがど こまでNPに任せるか、お互いに戸惑いがあった。年月かけて、お互いにすこしづつ、距離をあけて動けるようになったという。特にドクターのトップであるサミーは細かい事に気をつかう医師で、ケアの質 にとてもこだわる。最初に入ったパティの優れた判断力などのおかげでだんだん彼はNPの実力に魅了さ れていったという。というか、実際に安心して一緒に働けるお互いにプラスになる存在であると感じられるようになった。搬送にパティを送り出すようになったのも、少し時間が経ってからだったそうだ。

パティは笑う、最初は何でもチェックされたけれど、だんだんチェックする頻度が減り、チェックされる項目が 減っていったと。彼女はいま15人のNPリーダーである。そんな日が来るとは夢にも思わなかったそうだ。


これから日本で活躍を期待されて、考察されているNPも、それぞれの専門域で共同関係をもつ医師や、 他の医療チームメンバーと上手なバランスを保って効率よく質の良い医療を提供できるように努力していくという、大きな課題がある。

世界一流の医療技術がある日本でも、それを提供するための人材が足りなければそれを必要とする患者の住む社会に十分な安心を提供する事は難しい。ベッド不足、人材不足が指摘されるが、この日本の医療世界で大きなポテンシャルを秘めた看護が役割を拡大することで、患者の安全に貢献できる日は、すぐそこまで来ている。

2009年1月
エクランド稚子

麻酔と集中治療における 非医師診療師の可能性 -とある医師の観点から-

先週、麻酔科の医師として活躍していらっしゃる方から、下のようなメールをいただきました。医師の観点からなぜNP/PAを支持するのか書いてある興味深い内容なので、ご本人の許可を取って転載することにしました。
讃井先生、ありがとうございます。

***
自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科・集中治療部の讃井(さぬい)と
申します。

私は、6年間マイアミで麻酔および集中治療のレジデンシーおよびフェローシップトレーニングを終了して2005年に帰国し、日本の医療が混沌としているのを見て愕然とし、何かできないかともがいている一麻酔科系集中治療医です。

私も、日本で医師以外の職種の充実が不可欠であるということを痛感しておりました。ひょんなことから、貴サイト“チーム医療維新”を知り、嬉しくなりメールさせていただきました。

私は、米国の麻酔臨床、および日本における麻酔医不足の影響、すなわち1人の麻酔医が一時に複数のケースを担当する掛け持ち麻酔や、麻酔医が確保できないことによる手術の延期などが放置されてきた現状を見てきました。日本型CRNA(certified registered nurse anesthetists: 麻酔看護師)の導入を訴え学会発表したり、論文(Sanui M, Matsuo K, Otsuka Y. A survey of Japanese nurses' opinions on nurse anesthetists. Masui 2008;57:95-9. Japanese.)も書きました。それ以外の部門でもNP、PAを導入するべきであるという趣旨の新聞、雑誌投稿なども行ってきました。しかし学会やマスコミの反応は芳しくありませんでした。最近、集中治療の仕事が忙しくなってしまってあまりこちらの活動を行わなくなってしまったという経緯があります。

私が考えるNP、PAの導入による利点は以下の二つです。私は医師ですので、思い切り医師の立場の発言であることをお許しください。

一つ目です。私は、医師の仕事の8割は医師でなくてもできる、すなわち長い年月のかかる医学部教育およびレジデント教育を必要としない、と考えています。若手医師の教育を度外視し医療の効率という観点から考えれば、レジデント抜きに指導医がPAやNPと一緒にユニットを組んで働く形式が最も効率がよく、事故も少ないのではないかと思います。理想的には、一般病院ではこの指導医とPAやNPがタッグを組むスタイルで診療効率をあげ勤務医の疲労を軽減し、教育病院では指導医とレジデント、ベテランPAやNPとその卵というスタイルで教育の充実を図る(教育が現在の私の仕事の大きな部分を占めます)、という“すみ分け”ができればいいな、と考えています。

もう一つです。看護師に新たなワンランク上の職種を提供して仕事に対するモチベーションを上げることができるのでは、という期待です。何かと均一なことが好きな(であった?)この国で、よい意味での差別化(昇進制度)とそれに見合う報酬をあたえることは、「医療に興味があるけど、看護師ってきついだけで給料もあがらないんでしょ」と考えていた優秀な若者を魅きつけるに足るものがあると思います。日々の臨床で多くの看護師がそのポテンシャルとモチベーションを持っていることを実感します。

ついでに私事の教育の話ですが、2008年3月、世界標準の集中治療を日本に広めるべく、JSEPTIC(日本集中治療教育研究会)http://blog.goo.ne.jp/jsepticという研究会を始めました。会員は800名になりました。参加者は医師ばかりでなく、その他の職種の方も多数いらっしゃいます。主な活動は、メーリングリスト、年4回の総会、季刊Intensivist(メディカルサイエンスインターナショナル)http://www.medsi.co.jp/intensivist/index.htmlの発行、多施設合同フェローシップ(および近い将来は多施設共同臨床研究)です。集中治療、救急、麻酔などに興味のある方がいらっしゃったら覗いてみて下さい。

実はチーム医療維新のことも、我々のメーリングリストで話題として上ったため、知ることができました。

私が在米時代、おつきあいが特に深かったのはPAや CRNAでしたが、実にいろいろなことを教わりました。これからもいろいろ教えていただければさいわいです。

CNS(専門看護師)とNPの専門領域の違い

日本で高まっている、「NPとCNS」論理。
アメリカではどうなっているのか、参考になればと思いまして、新しいカテゴリーとして、「CNS(専門看護師)とNP」を作ってみました。

(カテゴリーごとの記事が見たい方は、左下のバナーの中の「カテゴリー」から、好きなものを選んでクリックしてください。)

これからCNSとNPの共生の歴史に関して、調べたり、インタビューをして載せていきますので、お楽しみに。

さて手始め(?)に、日本の厚生労働省が出している、「米国のNPとCNS」という資料を見つけました。詳しい情報には欠けていますが、専門領域の違いを知るには有効なリンクです。ここをクリックすると、PDFがダウンロードできます。

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新年を迎えて

新年あけましておめでとうございます。

なんと、元旦当日にも114件のアクセスが!
なんともありがたいことです。

まだ生まれて2ヶ月と少しのチーム医療維新ウェブサイトは、これから情報の「穴」を埋め、ますます求められている情報を多く発信するために、頑張っていきます。

そのために、フロントページの見にくいところ、この記事が面白かった、自分は看護師/医師/NP/看護学生/開業看護師だが現場ではこうだ、など、これからも気軽にメールしてください。(もしくは、「コメント」ボタンを押してコメン残してください。)

フィードバックは、チーム医療維新の発展にかけがえのないものです。

患者も医療従事者もほっとできるような仕組みを作るには、色々な人の意見が必要ですね。日本は色々な難しさを今まで乗り越えている。医療改革でも、うまく前に進めるといいですね。というか、進めないと患者の命が危ない、実際、被害も出ている。私たちなりのサポートを発信していきましょう。

これから、NPとPAに関する情報の穴を全て埋め、インタビューをもっとして、ビデオをどんどん載せる予定です。

また、「ダウンロードページ」からは、新生児NPエクランド稚子さんの、昔雑誌に掲載されたエッセイシリーズや、アメリカNP学会の書類などを直接手にいれられるようにします(注:メディカ出版の許可はいただいてます。その心のおおらかさに感謝します)。このページができたらお知らせします。

****************

次に、PA/NPに直接関係のないことですが…

さて、新年ですが、イスラエルなどのいやなニュースも多いですね。
平和を祈るだけじゃなく、peaceと書いたTシャツを着るだけでなく、実際に何かしたいと考えている方は、少額からでいいので、募金をしてみては。

チャリティーナビゲーターなどのサイトで、上の方にランキングされている団体は、募金が人件費などに消えず、直接プログラムに行く可能性が高いそうです。例えば、Accion Internationalは、 ここ
で見られるように、人件費はわずか4.7%のためもあって、星4つをもらっています。

初めての募金者などは25ドル(2500円)か35ドル(3500円)をあげるのが普通です。

おすすめは、OXFAM の勧める方法で、決めた日時に、友達たちと約束して、一食抜くことにします。お昼でも、夕食でもいい。そしてお腹が減ることで、食べ物のない人たちの気持ちが例え数時間でも、理解できる。
そして、ランチか夕食を外に食べにいったつもりで、その分をみんなで募金する。
ひとりで、2000円あげてももちろんいい。

国境のない医師団でもいい、UNICEFでもいい。Human rights watchでもいい、Amnesty Internationalでもいい。

平和を作るのに、一役買ってみませんか。

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