PAと他職種の関係

PAと医師との関係について

(メールからの抜粋なので、「添付参照」と書いてあるのはこのためです。その「添付」の書類に興味のある方は、メールをください。)



PAは全員が医師の助手ですから、全員が医師の監視下で働きます。

しかし「監視下」の意味も大きく取られていて、外来では、NP, 医師、PAと全く並行して患者さんを診ています。医師がいなくても診られるのです。

ベテランのPAの人は(NPもですが)医師と同じように複雑な患者を診ますし、新卒のPAがかぜや簡単なアレルギーなどを診るのも新卒のNPと同じです。処方もNPと同じように、医師が見ていなくてもできます。
ただし、医師はPAのカルテにCOSIGNをしなければいけないので、一日の終わりにカルテをどかっとPAが医師の机において、医師がすばやくサインしていくのもよく診る光景です。

PAはご存知のように病院内で多く働いていて、NPと同じように医師とチームを組んでやっています。NPと違って、PAは手術のアシストもできます。

PAと医師との意見が食い違った時、医師の意見が通ります。PAは開業はできません。

要するに、手術のアシスト以外、医師との関係という点から見るとちょうど医師の「監視下」で診療できるNPは似ているといえるでしょう。

実際にどういうことができるか?ということに関しては、例えばコネチカット州では曖昧で規定がなく、「医師の監視下で、医師ができると判断したものなら」だそうです。そのおかげで、PAが色々なことを任されて、能力を証明し、曖昧さのおかげでPAの仕事の幅が広がったとか。しかし、カリフォルニア州などでは細かくできることとできないことが決まっており、PAのできること、また、患者の病状によっての振り分けなどに関しては西田先生がとてもわかりやすい記事を書いています(添付参照)。ぜひそちらを見てください。


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NPと他職種の関係

1NPとCNSとの関係

NPとCNSとの関係については、
こちら
をご覧ください。

2NPと医師との関係

以下に書かれているのは、NPと医師との関係、また、許されている技術などについてです。
(とあるメールの返事から写したものなので、「添付を御覧ください」と途中ででてくるのはそのためです。添付で出てくる書類が見たい方は連絡しださい。)

NPは、現在全ての州で独立して患者を診ることができ、独立して処方箋も書けます。23州では完全に独立しており、医師と関係がなくとも患者さんを診ることができます。残りの州では「医師と連帯を持って」または「医師の監視下で」患者を診ることになります。(各州について、詳しく知りたければ添付の”Pearson Report”に全て載っています。御覧ください。)

では、具体的に「連帯」や「監視下」とはどういうことを指すのでしょうか?

私のいるコネチカット州では、医師との連帯が義務づけられています。ただし、連帯を示す文書は特に提出しなくていいことになっています(私は一応医師とふたりでそういう文書を作ってサインしましたが。それも添付しますね)。そのような州は4つあり、残りの24州では連帯を示す文書を看護協会(州によっては医学会)に出さなくてはいけません。

私の医院は外来の内科(プライマリーケア)をやっていて、医師(Dr.A)と私のふたりしかいません。

Dr.Aがこの間2週間のバケーションを取ったのですが、その間私は医師の患者も自分の患者もひとりで診ていました。1週間に2回ほど、わからないこと(「34歳の高血圧の患者さんなんですが、カルシウムが10.3だったんです。やっぱりこれは再検査でPTHもチェックした方がいいと思います?」など)があると、Dr.Aのポケベルを鳴らして、質問に答えてもらいました。

自分で分からないことがあれば連絡して相談する、これが「連帯」の意味です。

また、一般的疾患はNPが診て、難しい患者さんは医師が診て、というクリニックが多いのですが、多くの患者さんはその間くらいに位置するので、医師でもNPでも、空いている人が診ることになります。多くの場合、患者さんがお気に入りの人を指定して予約を取り、特に指定がなければ早い方の予約を埋めていくことになります。NPがいやだ、医者がいいという人もいて、そういう人は医師と予約を取ればいいわけです。(ちなみに、医者はやだ、サヤカに診てほしいという患者さんもいます!)

NPの得意分野があれば、医師からも回ってきます(Dr.Aは婦人科が苦手なので、生理不順などの患者さんが来たときは「この患者さんを診てくれ」と診察室にノックしてきます。)

私の(Dr.Aじゃなく、私の)患者さんの中には、結構複雑な患者さんもいて、みなが若い人ばかりでもありません。インシュリン使用の糖尿病の患者さんで、しかも最近心臓発作を起こしたことのある人、乳がんを3年前に患って、今でも薬を飲んでいる人、なども多くいます。

でも、自分の能力と知識では間に合わないと判断するのもNPの仕事の一部です。この間、腎不全で肝不全で、高血圧が色々な薬を用いても収まらなくて、てんかんの発作も起こす、みたいな患者さんを私が診た時は、正直に「私ではいいケアができないかもしれないので、次回からはDr.Aが診ますね」と患者さんにお知らせしました。

また、コネチカット州では、医師と意見が食い違うことがあれば、医師の意見が通るということになっています。(そんなこと滅多にありませんが。なぜなら、大抵話して解決することだからです。)

医師の監視下で、という州は、「医師が同じ建物にいること」「医師が50マイル以内にいること」「医師と電話で連絡が取れる場所にいること」「医師がカルテに3ヶ月ごとにサインをすること」など、州によって支離滅裂に違います。

医師の監視が必要な州でも、医師のサインがなくてもNPはお薬を出せます。ただし、「医師との関係を示す文書があること」「NPの処方箋に医師の名前も印刷されていること」などの制約がつく州もあります。
最後に、今まで書いていたのは外来に関してですが、入院患者に関してはNPの労働状況も違うようで、例えばICUなどではNPと医師とが密接なチームワークを組んで患者を診ています。ですから、「独立して」患者を診られるかどうかの法律はそれほど関係がなく、医師のいない時に、NPは看護師と協力して患者を診て、膀胱炎の抗生物質など一般的な処方はこなし、医師が必要だと判断した時はよぶ、という風にしているようです。参考までに、新生児ICUで働くNPのエクランド稚子さんのエッセイを御覧ください
エクランド稚子さんのエッセイ

また、専門外来では、例えば循環器科の外来で、心不全はNPが診て心臓弁の手術の要る人は医師が診るなどの分け方をしているところもあります。

一定の技術、例えばほくろのBIOPSY、ボトックス注射、膿を切って出すこと、傷の縫合などは、一般的にNPもよくやることなので、州ごとに禁止されているところがあるかどうかはちょっと分かりません。(ごめんなさい。)基本的に、その教育を受けた、それをできるNPならばできるというのが大体のルールで、例えば、私は膿を切ることは医師の監視下で3回やったので、その後はひとりで(医師不在で)やっています。ほくろのBIOPSY(生体検査?っていうんでしょうか。パチンと切り取るやつとかです)はやったことがないので、今BIOPSYの必要な患者さんが来たら、医師の監視下でやるか、医師にやってもらって見るだけにします。でも、やってはいけない、などの法律は私の知るニューヨーク州とコネチカット州では存在していません。

ただし、NPは「手術」はしないので、オペ室には入りません。

3NPと看護師との関係

3月ごろ追加予定です。

4NPとメディカルアシスタントとの関係

3月ごろ追加予定です。

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専門外来で働くNPが、日本の学会へ

10月16日の勉強会にも参加された、外資系製薬会社のM.S.さんという方から、このようなメールを受け取りました。本人の許可を得て、転載します。

ANPというのは成人科NPの略で、調べてみるとこの人は成人科NPながら肺高血圧症専門外来で、医師とともに並んで診療を行っているらしいです。
NPについても話していただきたいですね!

NPの仕事の一例として、参考にしてください。

緒方さやか
*********************

先日は、貴重な勉強会をありがとうございました。
これまで漠然としていたNPについて、具体的にイメージできるようになりました。

さて昨日、慶応大学病院で、全国PH(肺高血圧症)大会が開催されました。
全国から100名近い肺高血圧症患者さんと家族が参加されてました。
http://www.pha-japan.ne.jp/newpage-oshirase.htm

ここで、米国での肺高血圧症治療について講演されたのは、
ジュリアナさんという香港生まれで日本でも数年新宿に住まれたこともあるスタンフォード病院に勤務している30歳代くらいの女性でした。

Juliana Liu, RN,MSN,ANP (Vera M.Wall Center for Pulmonary Disease at Stanford)

講演は、流暢な日本語でたいへん勉強になりました。
NPという言葉は出てきませんでしたが、専門看護婦とのことで、肺高血圧症の治療を行っているそうです。
(MSN,ANP のいずれかが、呼吸専門看護婦という意味でしょうか?よくわかりません。)

この方の講演内容は、疾患の治療を薬剤別に特徴などをコメントしたものでしたが、医師の講演と異なり、
患者さんや家族の生活や、治療上の個々人の悩みや工夫などが随所に紹介され、
研究データによる説明と違った「看護らしさ」を感じました。

緒方さんと続けて、専門ナースの方のお話を伺う機会があり、ずいぶんと
ナースに対する認識も深まったような気がします。

ご報告まで。

外資系製薬会社 
M.S.

アメリカに無事着きまして、政治の話。

今自宅についたところです。
これから荷物を解いて、皆が提出した宿題のSOAP NOTEを採点して、いくつかの原稿を書く予定ですが、まずはハウス・メートと政治の私のいなかった間の選挙の動きについておしゃべり、です。

あまりこのサイトの主旨から離れるといけないので、医療に関するところだけ書きますと、2つ目のディベートで「医療は特権か、権利か、それとも(アメリカを統治するものの)責任か?」と司会に聞かれて、「誰にでも平等に与えられるべき権利だ」とオバマ氏は答え、マケイン氏は質問に答えなかったと、ある新聞記事は伝えている。私は、「それは、責任だが、えーと」と言ってから、関係ないことを言い出していたような記憶があります。

保守派のコリン・パウウェルまでがいまやオバマ氏をサポートする宣言をしたせいで、フロリダも落ちるだろうと言われていますが、州ごとの投票を集める形式の選挙ですから、まだまだ分からないと私は思っています。

マケイン氏は色々な公共のプログラムの予算をカットすることを公言していますが、これには当然、ブッシュ政権の中すでに減らされた公共の病院、地域診療所用の助成金も含まれるのだろうなと想像して、怖くなってしまいます。2年前、マンハッタンにいた時、家賃も払えない診療所があったり、病院がつぶれて看護師の多くが再就職口を探していたを思い出します。

さて、仕事仕事。

「和」のこころによる看護

これは私事になりますが、今日の午後は(やっと!)空いていたので、祖父ふたりのお見舞いを梯子し、妹とスーパーに行って日本食品を買いだめ、家族で食事をしました。

母方の祖父は元代々木の開業医でしたが、アルツハイマーがかなり進んで数年前から私のことも認知できません。言葉もいまや、短い言葉をつなぎあわせて文が言える程度です。それでも榊原先生に20年前手術していただいた心臓はいまでも元気で、足腰もとても丈夫のようです。

今日は、ホームを出て駐車場をゆっくりと一緒に散歩したのですが、途中でふと横を見た時の祖父の背中の小ささに、涙が出てきて止まらなくなってしまいました。以前祖父の前で泣いたときは祖父は多分「悲しさ」も認識できずにこにことしていたのですが、今日は急に心配したような怒ったような顔で私の顔をのぞきこんで、
「おれは大したことねえ。 ・・・別れは別れだからな。」

言葉の意味ではなくて、悲しみを認識してくれたことが嬉しくて、手を握ったまま、また泣いてしまいました。

そこで外に出てきたヘルパーさんが、優しい言葉をかけてくださいました。

父方の祖父は別のところにいて、呆けてはいますが私のことも分っていて、私がアメリカに住んでいるということもちゃんと知っていました。胃がんなんて嘘みたいにおみやげのシュークリームをぱくついていました。よかった。

しかし、日本のヘルパーさんは天使のように見えますね。

アメリカに来て、看護師の「優しさ」のなさにびっくりする日本人の看護師さんがいますが、私は日本に行くたびに、店員や、ウェイトレスや、宅配便のお兄さんや、ヘルパーさん、看護師さんのすばやい行動と優しい態度に毎回改めて腰を抜かします。そして、チップをもらってないのにすごい!と思います。

南裕子さんが、日本人だからできる和の看護、こころのこもった看護があるとおっしゃられたそうです。その「和」のこころを活かしつつ、高度なクリティカル・シンキングも兼ね備えた看護師、そしてNP,CNSさんなどがどんどん増えて、日本の医療の色々な分野で活躍の幅を広げていければいいですね。











OECD各国のスキルミックスの記事(ダウンロードできます)

10月の座談会などに来てくださった方々へ



これ
が、スライドで使用したOECDの状況の記事です。
「日本やアメリカ以外では、どうなってるのかな?NPはいるのかな?」と思った方はぜひ一読ください。2004年なので、少しだけ古いですが。


また、限定されたタスク以外はできるだけコストの低い労働者に任せるというスキルミックス。コスト削減には大きく貢献すると言われていますが、医療の質に関しての懸念がつきまとうのはアメリカも日本の一緒です。
スキルミックスの是非について書かれているBritish Medical Journalの記事がこのリンクで読めます。一番下の文献をクリックすれば関連した文献も色々読めます。
スキルミックス記事



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10月半ば、日本に行きます

10月12-19日まで、外科学会に出るために日本に一時帰国します。
12日から15日までは福岡と大分で、15日から19日までは東京の予定です。

なんとも光栄なことに、多岐にわたる分野の方とお会いできることになっています。情報・意見の交換を楽しみにしています。さてさて、脳みそを日本語に切り替えていかなくては。

チーム医療に興味、関心の高い方は、メールしてください。もしかすると、日本でお会いできるかもしれません。

私事になりますが、つい先週祖父のがんが見つかりました。このタイミングで日本でお見舞いができるのはなんという幸運でしょう。

自分の診た患者さんと重ねてしまうと辛いのですが、祖父は痛みは全くないようで、本当に良かった。
ちなみに、祖父の父は、小島烏水
といって登山家、随筆家であり、曽祖父の転勤について祖父も13歳まではアメリカでした。
たまたま父も転勤になり、連れていかれた私はアメリカに居残ってしまい、NPになり、今こうしてまた日本に関わることができて、人生とは興味深いものです。

94歳の祖父の姿に重ねて、高齢化社会、生きることとは、ホスピスとは、がん告知は、などと色々考えさせられる今日このごろです。

これがアメリカの自分の職場(週一回行く老人ホーム)では、考える必要もなく癌だったら告知、末期であれば、たいていの場合家族や本人が手術を望まないので、living willを作ることに関して患者さんにもちかけて、あとは看護師さんに任せて、いざという時"do not resusitate" (心臓マッサージなどを拒む)"Do no intubate" (挿官を拒む)"do not hospitalize" (病院に行くのを拒む)のうち、どれが希望かを確認して、ホスピスに関して家族にもちかけ、老人ホームに来ているホスピス会社に電話してと看護師さんに頼んで・・・
という段取りを取っているですが、日本ではアメリカほどホスピスや告知も一般的でないようだし、それでいざ孫として祖父に告知できるかっていったら、・・・できないし、それは身勝手なことだと思う。

祖父の前では私は医療者でなく孫でありたい。

実は、同時に医療者でもありたいが、日本の告知などに関してはアメリカと事情が違うので常識がわからず、また、普段遠く離れて暮らしている者が口をはさむ資格があるか?とも考えてしまう。

東京に着いた時は、ひとりの孫として、祖父の好きなシュークリームを持ってお見舞いに行こう。

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