急性医療におけるNP/PA

今必死で書いている、急性医療におけるNP/PAについての原稿の下書きから、抜粋。
参考までに。あくまで下書きですが。。。

出典が欲しい!!!という方、コメントに書いてください。後で書き足します。
今は眠いので、おやすみなさい。
************

上記したように、2003年以降、フェロー医/研修医の代わりに、 NPやPAを導入した病院は多く、その能力は変わらないという報告が出ている。ボストンのBrigham and Women’s Hospitalでは、5194名の一般病棟患者をAttending医1名率いるフェロー医1名、研修医3名、医学生1-2名による「医師チーム」か、Attending医1名とPA2名による「PAチーム」に分けて比較した。 結果、患者の入院日数、再入院率、ICU入室率に変わりは無かった。コストは、PAの方がわずかに(3.9%)低かった。患者の満足度においては、礼儀とフレンドリーさ(医師92.8%、PA92.8%)、技術(医師92.4%, PA92.0%)など全ての点において、両者で有意差は見られなかった。

また、University of Pittsburgh Medical Centerでは、Subacute Medical ICUに滞在した患者526名をAttending医の監視下で集中医療フェローが管理するチームとAttending医の監視下でNPが管理するチームに分け、アウトカムを比較した。NPは8-10時間のシフト制で平日の昼間のみ働き、夜は研修医が、そして週末は Attending医がカバーした。結果、NPチームの方が平均してより多くの患者を担当し(p<.001)、しかも患者の合併症が多かったにも関わらず(p=0.02)、 ICU日数(p=0.52)、人工呼吸器日数(p=0.10)、死亡率(p=0.25-0.89)などに違いはなかった。また、フェロー医チームの方が再挿官率が高かった(p=0.2)が、著者は フェロー医はユニット外で過ごす時間が勤務時間全体の37%を占めるためでないかと推測している(NPは15%、p<0.001)。

NP/PA をICUに導入。滞在日数や死亡率の変化は?

NP/PAを入れたら、「危険だ」「医療の質が下がる」という懸念の声を、日本の一部で聞きますね。
アメリカでも昔はそういう心配をする医療関係者などがいたようです。

では、本当に医療の質は下がるのでしょうか?

そこで、NP/PAのケアの質についての文献目録を作ってみました。

プライマリケアの分野においてだと、何百個もあるので、ここには今リストしません。ちょっと探す範囲を限定して、集中治療や周術期においての文献を探してみると、 ケアの質を医師比べた研究だけでも、多く見つかりました。

それだとやっぱりきりがないので、その中でも、ABSTRACTだけでなく、 記事本体をイェール図書館のデータベースなどで見つけられたもののみを含めることにしました。 要するに、ここにリストした記事は全て現物を持っています。

NP/PA反対派のAmerican Medical Associationあたりから、NP/PAの質が劣るという研究結果が出版されてるんじゃないかなーと思ったのですが、NP/PAのケアの質が医師と同等であるという結果の文献は大変な数がありましたが、医師に劣るという結果は、記事を膨大な数サーチして、100個以上Abstractに目を通しても、ひとつも見つけられませんでした。

正直言って、NPやPAに批判的な記事が探せば見つかるだろうと思っていたので、ちょっと驚きました。

わずかに見つかったのは、1990年と1974年という古い記事で、質は同じだが、コストがNPの方がかかった、というものです。しかし、集中治療の分野ではなく、介護ホームとプライマリケアの話で、また、あまりに古いので、あんまり関係ないかな、と思います。

もうひとつ注目すべきことは、看護雑誌に出たものが非常に少ない点。医療マネジメント、集中治療などの分野の雑誌がほとんどですね。

プライマリケアの分野においても、 NP/PAのケアの質が医師と同等であるというリストも制作したいのですが、あまりに数が多いので、絞り込むのが大変そうです。

NPやPA は、様々な医療現場において、高い質のケアを提供し、コスト削減に貢献してきたということに、改めて驚いています。

緒方さやか





Spisso J, O'Callaghan C, McKennan M, et al: Improved quality of care and reduction of house staff workload using trauma nurse practitioners. J Trauma 30. 660-665.1990;
NPによって滞在日数が減ったばかりか、勤務医師の一日の時間が352分空いた.

Carzoli R, Martinez-Cruz M, Cuevas L, et al: Comparison of neonatal nurse practitioners, physician assistants, and residents in the neonatal intensive care unit. Arch Pediatr Adolesc Med 148. 1271-1276.1994
新生児ICUにて、 医師(レジデント)と NP/PAの間で質の差はなかった。 NP/PAの方がコストの節約になった。

Dubaybo BA, Samson MK, Carlson RW: The role of physician-assistants in critical care units. Chest 99. 89-91.1991
2年にかけて、死亡率、合併症など、PAがいるICUと医師のみのICUで違いはなかった。

Mitchell-Dicenso A, Guyatt G, Marrin M, et al: A controlled trial of nurse practitioners in neonatal intensive care. Pediatrics 98. 1143-1148.1996
新生児ICUにおいて、医師とNPがケアする場合のアウトカムは同じであった。

Meyer SC. Miers LJ. Cardiovascular surgeon and acute care nurse practitioner: collaboration on postoperative outcomes. AACN Clinical Issues. 16(2):149-58, 2005 Apr-Jun.
術後のケアを、心臓外科医のみのチームの場合と、心臓外科医とNPのチームを比べた。滞在日数はNPを含んだチームの方が短く、患者ひとりあたり $5,038のセービングになった。

Kleinpell RM. Ely EW. Grabenkort R. Nurse practitioners and physician assistants in the intensive care unit: an evidence-based review. Critical Care Medicine. 36(10):2888-97, 2008 Oct.
急性期ケアにおいて、NPやPAと医師とを比べた文献を集め、紹介している。

Ettner SL. Kotlerman J. Afifi A. Vazirani S. Hays RD. Shapiro M. Cowan M. An alternative approach to reducing the costs of patient care? A controlled trial of the multi-disciplinary doctor-nurse practitioner (MDNP) model. Medical Decision Making. 26(1):9-17, 2006 Jan-Feb.
病院内の患者のケアで、医師だけのチームと、NPを加えたチームを比べたところ、
患者一人あたり$1187NPを雇うのにかかったが、 $3331コストが浮いたため、NPのいるチームの方がコストセービングになったという記事。

Roy CL. Liang CL. Lund M. Boyd C. Katz JT. McKean S. Schnipper JL. Implementation of a physician assistant/hospitalist service in an academic medical center: impact on efficiency and patient outcomes. Journal of Hospital Medicine (Online). 3(5):361-8, 2008 Sep.
病院内のケアで、PAと医師のチームと、医師だけのチームでは、滞在日数、死亡率などが同じであった。

Russell D, VorderBruegge M, Burns SM: Effect of an outcomes-managed approach to care of neuroscience patients by acute care nurse practitioners. Am J Crit Care 11. 353-364.2002
滞在日数、膀胱炎、ICU滞在日数、導尿が要らなくなるまでの時間などが、NPによって少なくなった例。

Cowan MJ. Shapiro M. Hays RD. Afifi A. Vazirani S. Ward CR. Ettner SL. The effect of a multidisciplinary hospitalist/physician and advanced practice nurse collaboration on hospital costs. Journal of Nursing Administration. 36(2):79-85, 2006 Feb. 病院内で医師だけのチームよりも、NPを入れたチームの方が、患者の滞在日数が短く、患者ひとりにつき病院側は$1591 の節約になった。

Burns SM, Earven S, Fisher C, et al: Implementation of an institutional program to improve clinical and financial outcomes of mechanically ventilated patients: One-year outcomes and lessons learned. Crit Care Med 31. 2752-2763.2003
NPを雇うモデルによってICU滞在日数などが減り、>$3,000,000の節約になった。


Hoffman LA. Miller TH. Zullo TG. Donahoe MP. Comparison of 2 models for managing tracheotomized patients in a subacute medical intensive care unit. Respiratory Care. 51(11):1230-6, 2006 Nov.
NPとフェローの医師では、死亡率、滞在日数などが変わらなかった。


Dacey MJ. Mirza ER. Wilcox V. Doherty M. Mello J. Boyer A. Gates J. Brothers T. Baute R. The effect of a rapid response team on major clinical outcome measures in a community hospital. Critical Care Medicine. 35(9):2076-82, 2007 Sep.
PAによるRapid Response Team制度を導入したところ、病院内の患者の心筋梗塞などが減った。

Hoffman LA. Tasota FJ. Zullo TG. Scharfenberg C. Donahoe MP. Outcomes of care managed by an acute care nurse practitioner/attending physician team in a subacute medical intensive care unit. American Journal of Critical Care. 14(2):121-30; quiz 131-2, 2005 Mar.
勤務医とNPのチームと、勤務医と急性期ケアフェロー(医師)とのチームを比べた。 mechanical ventilationの期間、死亡率、滞在日数、 readmission rates(再入院率)において、違いはなかった。ただし、フェローの患者の方がreintubation(再挿官?)率が高かった。これは、フェローはICUの外でしなくてはならないほかの仕事が多いからではないかと推察している。